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香港にバーベキューの季節到来 「港式」は長い棒に具を串刺しで

長い棒に串刺しが特徴の香港風バーベキュー

長い棒に串刺しが特徴の香港風バーベキュー

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 4月の最低気温は20度を超え、夜でも寒くない温度になった香港に本格的なバーベキュー(燒●/BBQ)のシーズンが到来した。レジャーの少ない香港では海、山などが多い新界(New Territories)、タワーマンションのクラブハウスなどを中心に多くのバーべーキューをする場所がある。

友達同士でバーベキューを楽しむ香港文化

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 香港での「港式」BBQは気軽に楽しめ、欧米スタイルと異なる点がいくつかある。まずは具材。肉の種類に関しては欧米と大差ないが、欧米は鉄板や網の上で肉を焼くのと比較して、香港では先がU字状に2つに分かれた長い棒を持ち、そこに具材を串刺しにして自分で焼くというスタイル。そのため、野菜は「港式」では少なめだったが、イモ類やナスなどをアルミホイルに巻き、石や器の淵に載せて焼いたり、網を使ったりすることも増えたきたため、野菜を食べる機会は増えた。肉以外の具材も豊富で、魚蛋(魚のつみれ)、牛丸(牛肉つみれ)、芝士腸(チーズウィンナー)、墨魚丸(イカのつみれ)、マシュマロなどがある。味付けは、欧米でも使われるステーキ用の特性ソースや塩コショウに加え蜂蜜をつけるのが香港の特徴。

 BBQはどこでもやっていいというものではなく、政府認可のスペースで行うか、民間が経営しているバーベキュー場で楽しむのが基本だ。香港政府のBBQ施設では、「(Clear Water Bay First Beach)」「赤柱正灘泳灘(Stanley Main Beach)」、九龍地区で唯一のBBQ場である「獅子山公園(Lion Rock Park)」などがよく知られている。

 民間では、石澳(Shek O)の石澳正灘(Shek O Beach)のにある「陳二嫂BBQ」は大きなビニールシートの屋根がある場所で、香港日本人社会で有名だったが、ここはすでに閉鎖された。ただし、反対側のビーチに行けば「藍?士多燒●樂園(Lam Au BBQ Store)があり、屋外と屋根付きのどちらかを選ぶことが可能だ。

「西貢海灣會燒●會所(Beach BBQ King)」は2万5000平方フィートのガラス張りの建物か屋外でBBQを楽しむことができる。周囲を囲む海の景色が抜群で、食材はバイキングのように用意されているため買い出しの必要がないうえに、ドリンクバーまで付いているものもあり、手ぶらで行ってBBQを楽しむこともできる。料金は時間と曜日によって異なるが188~218香港ドルに設定されている。

 長洲島(Cheung Chau Island)で泊りがけを兼ねたミニ旅行でBBQをするケースもある。フェリーターミナル直後の通りには「渡假屋」と呼ばれる素泊まりの宿が設営した簡易カウンターがズラリと並んでいるが、渡假屋の一部には、裏庭や屋上でBBQをすることができる施設を備えている。元々素泊まりが前提のため、多くの渡假屋ではBBQをしても追加料金を徴収しないところが多い。長州島はフェリーを使うショートトリップができるという性格上、若者に特に人気で、合コンを兼ねたBBQパーティーなどが開かれている。

 このように、BBQ文化が発達した香港ならではの選択肢の広さがあるのも特徴だ。 

●=火へんに考。

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