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香港電影金像奨(香港フィルムアワード)発表 17部門ノミネート「無雙」が作品賞に

作品賞に輝いた「無雙/Project Gutenberg」

作品賞に輝いた「無雙/Project Gutenberg」

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 香港のアカデミー賞に当たる「第38回香港電影金像奨(香港フィルムアワード)」が4月14日、尖沙咀(Tsim Sha Tsui)香港文化中心(Cultural Centre)で行われ、17部門にノミネートされていた莊文強(フェリックス・チョン)監督の「無雙/Project Gutenberg」が作品賞に輝いた。

 香港では毎年3月下旬から4月中ごろ過ぎまでの約1カ月間、「香港国際映画祭」「香港国際フィルマート」など香港影視娯楽博覧(エンターテインメント・エキスポ)が開催されている。この金像奨は大トリともいえるイベントだ。

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 金像奨では日本人の映画関係者がほぼ毎年ノミネートされることが多く、最優秀映画音楽スコア賞では2018年に久石譲さん、2017年に波多野裕介さんが受賞するなど縁が深い。今年も同賞で「翠絲/Tracey」の大友良英さんがノミネートされ、最佳美術指導で「狄仁傑之四大天王/Detective Dee : The Four Heavenly Kings」の映画に携わった赤塚佳仁さんもノミネートされたが、いずれも受賞を逃した。

 最優秀作品賞にノミネートされたのは「三夫/Three Husbands」「紅海行動/Operation Red Sea」「淪落人/Still Human」「逆流大叔/Men On The Dragon」「無雙/Project Gutenberg」の5作品。受賞した「無雙/Project Gutenberg」は香港映画大手の英皇影業(Emperor Film Production)のほか、上海阿里巴巴影業(Shanghai Alibaba Pictures)というアリババの映画部門も製作に関わっている。紙幣を偽造する組織を運営する周潤發(チョウ・ユンファ)さんが貧乏な画家の郭富城(アーロン・クォック)さんを雇い偽造紙幣を作り出していく物語で、2人のダブル主演が話題となった。第31回東京国際映画祭でも上映されている。

 主演男優賞は「淪落人/Still Human」で工事現場での事故の影響で、体がほぼ不随状態になってしまった男性を演じた黄秋生(アンソニー・ウォン)さんが受賞した。主演男優賞の受賞は3度目となる。主演女優賞は「三夫/Three Husbands」の曾美慧孜(クロエ・マーヤン)さん。3人の男を使い、香港では珍しくなった、船に住んでいるという娼婦の役に挑んだ。中国貴州省生まれの彼女はこの役柄のために約20キロも体重を増やし、中国本土ではタブーとされるテーマの作品に出演するというリスクを冒してまでの演技だった。最優秀助演男優賞は、「翠絲/Tracey」の袁富華(ベン・ユン)さん。テレビ、映画、舞台などで幅広く活躍してきた俳優で、2011年には香港演藝學院(HKAPA)で監督業の修士の学位も取得している。妻と子どもと幸せな生活をしてきたが、ある時、親友が亡くなったことを知る。昔はその親友のことが好きで、どこか封印してきた感情がよみがえるという「LGBT」がテーマの作品だ。最優秀助演女優賞は同じ「翠絲/Tracey」に出た惠英紅(カラ・ワイ)の頭上に輝いた。

 最優秀新人賞は「淪落人/Still Human」でアンソニー・ウォンを介護するフィリピン人ヘルパーを演じたCrisel Consunjiが受賞。11年前に香港ディズニーランドの舞台で働くために来港。その後、香港の教育現場で働き、再び女優に転身したという経歴を持つ。式典では広東語で受賞は光栄であることを語ったほか、英語でもダイバーシティなどについてスピーチした。

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