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JA全農、香港でECサイト開設 「日本の農産品を日常に」する取り組みの一環

香港でECサイト開設発表を行ったJA全農

香港でECサイト開設発表を行ったJA全農

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 全国農業協同組合連合会(JA全農)は6月6日、香港内のホテルでJA全農香港の取り組みとEコマース事業についての説明会を開き、日本食が成熟している香港市場において販売戦略などを説明した。

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 農畜産物の輸出拡大と輸出重点国での販売強化を担うのがJA全農の子会社であるJA全農インターナショナル。昨年4月、香港の拠点となる「全農国際香港(ZEN-NOH International Hong Kong)を設立し、香港市場の開拓を始めた。これまで、一田(YATA)などのスーパーマーケットで米を中心とした農産物や肉などの畜産物プロモーションを行ったほか、今年は6月4日から9日まで開催される卓球の国際大会「香港オープン」に初めて協賛。これに合わせて連日、卓球日本代表選手におむすびを提供したり、日本米を宣伝したりするなど積極的な活動を行っている。

 4月からは無線電視(TVB)が運営するEコマースサイト「Big Big Shop」で米のミルク、和歌山南高梅、宮崎県産のマンゴーを販売し、1つ400香港ドル近いマンゴーなど、いずれも決して安価な商品ではないものの実績を上げている。

 「生産者と消費者を安心して結ぶ架け橋に」という思いをより具体的なものにするため、6月6日、JA全農自らEコマースの事業も始めた。JA全農として海外でのEC展開は香港が初めてで、将来的には中国本土などを視野に入れる。

 ここでもTVBと同じ和歌山の梅、宮崎のマンゴーを売るほか、現在は、山梨県産の黒ブドウとマスカット、静岡県産のメロンの6種類を扱っている。「将来的には畜産物、野菜、飲料を含め100品目まで増やしたい」と全農国際香港のマネジングディレクター金築道弘さんは今後の展望を語る。配送時間は、商品にもよるがオーダーしてから手元に届くまで1~7日かかるという。

 このECサイトはアマゾンや楽天、ZOZOのように、個人事業者を含め誰でもが店を開くという形ではなく、良い農産品があった場合、JA全農が責任を持って仕入れて販売する形をとり、最適のタイミングで、消費者に安心して食べてもらうのが目的だ。

 今回の事業説明の中で「日本の農産物を香港の日常に」という言葉も飛び出たが、現実として香港の家庭のほとんどが毎日、中華料理だ。「日常」という言葉を使ったその真意について、金築さんは「白菜、大根、キャベツは日本産の甘みが強く、大きな差が付くといわれている。中華料理の中で日本の野菜を使ってほしい。例えば、消費者からは火鍋で大きな差が出ると言われ、日本産のものは、ほかのものより値段が3倍もするのに売れている現状がある。日本産の味を知ると元に戻れなくなるような面があるので、JAとしては『テイストとして優れている』という点を訴えていきたい」と話す。

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