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香港科学館で「故宮博物院」のお宝展示 北京・紫禁城の建設600年記念で

故宮博物院のコレクションの一つである宮廷衣装は皺を取り除く作業が行われた Pastel court robe with satin embroidery of floral sprays  © The Palace Museum

故宮博物院のコレクションの一つである宮廷衣装は皺を取り除く作業が行われた Pastel court robe with satin embroidery of floral sprays © The Palace Museum

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 明・清朝時代に24の皇帝の宮殿として利用された中国・北京の紫禁城が建設から600年を迎えた今年、尖沙咀東にある香港科学館 (2 Science Museum Road, Tsim Sha Tsui East, Kowloon)ではこれを記念した展示「内裏乾坤―故宮文物修復展 (Unlocking the Secrets - The Science of Conservation at The Palace Museum)」を開催している。

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 現在はユネスコの世界遺産に登録されている「故宮博物院」として中国の歴代皇帝らによって収集され、紫禁城に保管されていた歴史的文化財を保存、展示する博物館となっているが、1925年設立の故宮博物院は博物館であると同時に、1420年に完成した紫禁城の木造建築自体の修復と保存を行ってきた。文化的、歴史的な価値のある工芸品の修復に伝統的な工芸技術を適用し、かつての輝きを取り戻してきたが、近年では「文化遺産の病院」として伝統的技法を用いるだけでなく、より効果的な修復と保存を行うために断層撮影装置や高画質顕微鏡、さまざまな分光器など最新の科学技術を導入して「診断」を行い、工芸品を観察、調査し適切な修復プランを立て保存を行っている。

 同展示では故宮博物院のコレクションの中から100点に上る銅製品、時計、テキスタイル、仏画、木製家具、漆製品、陶磁器、書画、絵画などの「お宝」を展示し、これらの修復と保存に使われた最新の科学技術の紹介とその物語を併せて紹介する。

 例えば陶磁器製のラクダの置物は修復するに当たり、最大の課題だった空洞の胴体に対して重い頭と首部分をどのように取り付けたかを紹介。皇帝が着た宮廷衣装は無数にできてしまった皺(しわ)を取り除く必要があり、湿気を補填する処置を行った。仏画は使われた絵の具などの画材を化学分析機で調べて修復し、銅製の鳩時計は全てのパーツを取り外し、記録してからまた一から組み立てた。

 同時に香港で行われた歴史遺産の修復例も同展示で紹介する。100年前の鉄道車両「313号」のレプリカの展示で、この展示を通じて大型の工芸品の修復の難しさを伝える。18世紀の絵画ではニスが黄色く変色し、元の色合いを解析するために使われた技術やニスを取り除く方法なども紹介。

 期間中は展示だけでなく、実際に修復がどのように行われるかのデモストレーションを故宮博物院の職員を招いて行うほか、故宮博物院の職員が修復を行う過程を追ったドキュメンタリー映像の上映、修復ラボを再現した展示では実際に目と手で作業を体験でき、子どもが自分のおもちゃを持ち寄り、X線技術などで中の構造を見て学ぶワークショップなども予定する。

 開館時間は10時~19時(土曜・日曜・祝日は21時まで)。木曜休館(祝日の場合は開館)。入場料は30香港ドル。3月18日まで。

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