航空サービスの航空関連のデータを提供や世界の航空・空港の格付け調査を行なうイギリスのスカイトラックスは5月11日、「The World's Best Airports of 2020」を発表し、香港国際空港は2019年の5位から6位にランクダウンした一方で「World's Best Airport Immigration Service」で1位に輝いた。
スカイトラックスは2019年9月~2020年2月に世界550空港を調査し、発表した。1998年に開港した香港国際空港は2019年の利用者が7150万人、世界220都市を結ぶ。発着回数は41万9730回で、航空貨物の取扱量は480万トンとアジアを代表するハブ空港だ。2000年からは2001~2005年、2007~2008年、2011年と8回ナンバーワンの空港に輝いた。しかし、今回8連覇したシンガポールのチャンギ国際空港、ソウルの仁川国際空港、羽田空港などライバル空港が路線の拡充や施設の大幅なアップデートを図ったことで、香港国際空港も改善を続けていたものの、今回も前回から1つ順位を下げ6位となった。
現在はターミナル2を閉鎖して拡張工事が行われているほか、2023年に第3滑走路の建設が進められており、全てが完成した後は再び競争力を増した空港になることが期待されている。
1位のチャンギ国際空港は利便性のほか、空港内にある施設の一つ「Jewel」はまるでテーマパークのようで利用者を飽きさせないことなどが評価された。日本では2位に羽田空港、7位に成田国際空港、8位に中部国際空港(セントレア)、10位に関西国際空港と主要4空港が全てトップ10にランクインしている。
スカイトラックスは世界のベストエアポートのほかに、細かな部門を設け表彰を行っている。その中で香港国際空港は「出入国/出入境のサービス部門」で1位に輝いた。これは、2015~2016年、2019年に続いての栄冠で、過去6年間で4回目のナンバーワンとなった。
香港国際空港は利用客が非常に多いため、観光客は入境時に長蛇の列に並ぶことがある。それを緩和するために1年間に3回以上来港した人に対して専用チャンネルを使って出入境審査を行うサービス「訪港常客通道(Frequent Visitor Card)」がある。さらに2012年からは指紋認証で出入境手続きの簡素化、自動化を行う「e-道(e-Channel)」のサービスを提供してきた。さらに2017年には、e-道にカメラとスキャナーを加え、香港を訪れた外国人訪問客が香港を離れる際、パスポート業務で自動ゲートによる顔認証での出国業務をする「離境易(Smart Departure)」のサービスを開始。顔認証は世界的には母国の人たちを対象とするサービスが多いが、香港の場合は出境だけではあるが外国人にも同じサービスを適用する点がポイントで、この辺りが高い評価を受けたといえそうだ。