土木工程拓展署(The Civil Engineering and Development Department)は9月28日、元朗から上水までの11キロに及ぶサイクリングコースが完成したと発表し、翌日、一般使用が始まった。
香港の市街地はどこも交通量が激しく、人混みであふれ、閑静な住宅街は山の中腹にあるため、日常的に自転車に乗るのには適した環境が少ない。そのため、日本のように自転車に乗ることは一般化しておらず、香港で自転車に乗る際はレジャーの一環として整備されたサイクリングコースへ「乗りに出向く」のが常となっている。代表的なサイクリングコースとしては大圍から大埔墟やその先の大美督まで続く南北を走るコースがあり、アクセスのしやすさや平坦で乗りやすいことと途中のアトラクションや絶景が長年人気を博してきたコースだ。このコースに人気が集まり、新界を東西に走るサイクリングコースが所々あることはあまり知られていない。
今回完成した元朗から上水までの11キロに及ぶサイクリングコースは政府が取り組んできた東西に走るコースの強化の一環で、バラバラに整備されていたコースを屯門から馬鞍山まで続く全長60キロのコースとしてつなぐことに成功した。新しいコースの選出とデザインには、鳥の生息地や保護地域を避けるなど環境への配慮や周辺住民への影響を考慮に入れたほか、利用者が楽しめる絶景が見られる場所と文化的要素を含むスポットを取り入れたという。そのため、元朗の錦田河や上水の●原湿地などを通り抜ける絶景スポットが用意されていることに加え、香港一美しい建築と形容される19世紀に建てられた文氏族の歴史的邸宅「大夫第」や中国・南宋末の宰相であり詩人としても知られる文天祥を記念した「文天祥公園」へ立ち寄り、歴史遺産に浸れるコースとなっている。コース上には数々の休憩地点、トイレ、売店などを設け利用者の利便性に十分配慮した。新しいコースの詳細についてはスマホアプリ「HKeMobility」で確認できる。
自転車は地下鉄MTR近くにある「龍記單車Lung Kee Bicycle Shop」が運営する自転車合流センター「天水圍單車匯合中心」「元朗單車匯合中心」「上水單車匯合中心」「大學站單車匯合中心」ほか4つの店「屯門湖山遊樂場單車亭」「大埔運頭街2號A」「大埔大尾督單車場」「沙田排頭村7號地下」で借りることができる。マウンテンバイクなど一般的な自転車=40香港ドル/時、90香港ドル/家族用大型三輪車=HKD 80香港ドル/時; 180香港ドル/日。営業時間:9時30分~19時30分で、 夜7時前自転車返さなければならない。10~30香港ドルを追加(車種により異なる)すると他の店で返却も可能だ。
東西に走るサイクリングコースについて、今後の予定としては●灣青●橋から灣景花園までの2キロに及ぶコースを現在建設中で、2021年初旬に完成予定だという。このコースは将来的に?灣から屯門までを結ぶ沿岸を走る全長22キロのサイクリングコースの一部で、これが完成すると?灣から屯門、元朗、上水、大埔、沙田を経由して馬鞍山までをつなぐ新界をぐるりと一周するかのようなコースが完成する。
●=朗の下に土 ●=草かんむりに全