日本人も多く住むエリア黄埔にある定食の店「米気(MAI-HEI)」(Shop 32-33, G/F, Pebbles World (Site 3), Wonderful Worlds of Whampoa TEL 3543 1101)が現在、宮崎の特産品を使った特別メニューを提供している。
昨年12月にオープンした同店は「日本の食堂」を目指す。香港にも日本料理を楽しむことができる料理店は多くあるが、家庭で食べる「一汁三菜」の和食スタイルのみで勝負する店は少ない。メニューも「米」「主」「冷」「温」などのカテゴリーに分け、それぞれ8~10種のメニューを用意し、組み合わせてお盆に載せ提供するのが同店のコンセプト。
店内はシンプルな装飾と2人掛け・4人掛けのテーブルを中心に80席を用意し、昼休み後の休憩時間を設けず一日中利用できるのが特徴の一つ。ガラス張りの路面店は角に店があることもあり、人通りも多い通りから店内がよく見える造りになっている。
「米」の定番メニューは全部で7種類。白ご飯(15香港ドル)を基本に、黄身のしょうゆ漬け(22香港ドル)、松葉ガニみそ(38香港ドル)、明太子(22香港ドル)などがあり、現在は宮崎特別メニューに合わせて宮崎県産を使うが、通常は福井県産なども使っているという。米には炊き方にもこだわり、炊飯前に氷を使って米を冷やすなどの工夫もしている。
宮崎特別メニューは、米の上に大葉を敷き、その上に「しいたけみそ」を置く。米は宮崎県産のコシヒカリ「月桃米」。ショウガ科の多年生常緑草で九州南部の植物で夏に白い花を咲かせる月桃の茎の部分を搾ったエキスを肥料に使い、農薬回数を減らした米だという。メインはチキン南蛮ならぬ「豚南蛮」(48香港ドル)。「もともと定番メニューに『チキン南蛮』があったため、宮崎の『まるみ豚』を使って、香港人が好むスタイルにした」と話すのは、エグゼクティブシェフのドミニク(Dominic Li)さん。サラダチキンに使う宮崎の鶏肉は「きちんと味を残したいと思いスロークックしたものを使う」と続ける。
ほかにもサツマイモを細長く切り、ニンジンや玉ネギなど揚げてできあがった姿がカニに似ているように見えることから、その名が付いたというかき揚げ「宮崎がね」やタルタルソースのレシピは宮崎県も協力して限定メニューを完成させた。
デザートの「宮崎甘藷(かんしょ)アイスクリーム」(30香港ドル)はカップの下に甘くふかした芋を敷き、その上にポーションの大きなアイスクリームをのせたもの。同店のスイーツは全て手作りで仕上げている。全ての宮崎メニューを提供するセットは138香港ドルで提供する。
期間限定メニューも2品ずつ用意し、オーダーや利用者の反応を見て売れ行きがよければグランドメニューに追加するという。「香港人は飽きやすいので、毎月メニューは変更している」とファイナンスマネジャーのサム(Sam Lai)さん。
「現在ここでやっている形を将来、日本に進出して提供したい。おかずを中華にするのもいい」とドミニクさん。来月は「京都」をテーマにした特別メニューを提供する予定だという。宮崎メニューは11月24日まで。
営業時間=12時~22時。