香港政府は12月24日、相次いで新型コロナウイルスの強制隔離に関して新しい方針を発表した。12月25日から香港入境21日前に中国本土、マカオ、台湾以外の外国・地域に滞在歴のある香港居民は、政府指定ホテルでの強制検疫について従来の14日から7日間延長し、計21日間強制隔離をしなければならなくなった。拘束される時間を考慮すると、入境有資格者が海外から入境することを、事実上、拒否することに近い厳しい措置で、辛いクリスマスプレゼントとなってしまった。
25日現在、累計感染者数が8482人、死亡者は136人、回復者7217人、新規感染者は57人となっている。11月後半に入り第4波が襲来したが、衞生防護中心(CHP)の張竹君傳染病處主任が11月20日に開いた記者会見で、「10月から今までの間に14日の強制終了が終わり、入境から20日を超えてから陽性反応を示した例が5例あり、21日、25日など、強制検疫の期間延長について研究を要する」と発言をしていた。
具体的には、12月25日午前0時から、香港到着21日前までに中国本土、マカオ、台湾以外の外国・地域に滞在歴のある者は、空路や陸路にかかわらず、政府指定検疫ホテルで21日間の強制検疫をしなければならない。19日目または20日目に検査を受ける必要がある。今後は政府が指定した国・地域限定から入境する人は状況に応じて最大で28日まで強制検疫を延長できることになった。これはハイリスク地域の国・地域からは入境者が対象になる公算が高いと思われる。
変異種が発生しイギリスからのフライトは12月22日より運航が一時停止されているが、12月2日~23日にイギリスから香港に入境した者についての詳細は12月23日に明らかになった。入境後14日間の政府ホテルでの強制検疫の後、さらに自宅での強制検疫が継続される。19日目または20日目に3度目の検査を行い、検体は政府指定の場所に提出しなければならない。強制検疫終了は入境後21日目ではなく検査結果が陰性と確定するまでとなった。もし陽性であれば即入院となる。ただ、香港の検査態勢は充実しており、よほどのことがない限り22日目、23日目に強制隔離解除ということにはならないと思われる。
南アフリカでもイギリスの変異種とは異なる新たな変異種が発見されたため南アフリカに滞在歴が搭乗前21日間に2時間以上滞在したことのある人は香港行きの飛行機に搭乗できなくなった。
最後にワクチンについては12月23日、林鄭月娥(Carrie Lam)行政長官が、上海の復星医薬と独バイオンテックが共同開発したもの、科興控股(香港)、英アストラゼネカから合計2250万本のワクチンを確保したと表明。1人2回分の接種量があるとした。どこの場所で接種を受け、どの会社のワクチンを接種するのかはできるだけ選択可能なようにするとした。