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香港政府、14日間の強制隔離に関する条例、来年3月31日まで延長 香港観光は依然遠く

香港繁華街の街並み

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 香港政府は12月8日、入境規制、情報開示、マスク着用などを定めた7つの条例(第599C章~第599I章)について、今年12月31日までが有効だった期限を2021年3月31日まで延長することを決めた。これにより、第599E章(外国地区到港人士強制検疫規例)に定められている、外国から戻ってきた香港居民は14日間の強制検疫を受けなければならない条例は来年3月31日まで延長されることが確定した。香港は新型コロナウイルスの第4波の真っただ中で、日本も欧米も感染拡大がなかなか収まらないこともあり、このような措置に至った。今後、感染拡大が収まり日本政府と香港政府でトラベルバブルが結ばれるなどの特例措置が認められない限り、2021年第1四半期の香港観光・ビジネスによる出張は、事実上、不可能ということになったことを意味する。

 10日現在、香港の累計感染者数は7292人、死亡者は114人、回復者5900人、新規感染者は112人。観光は香港の4大産業の一つで入境制限措置は香港経済にとって大きなダメージを与えることを香港政府も認識している。実際、香港政府も感染拡大と経済を回すことの両立を目指しているが、2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)の経験から、感染拡大防止のウエートを高め、厳しい措置を継続することを決めた。日本にはコアな香港ファンが多く、香港観光に行くことを待ち望んでいる人がいるだけに残念なニュースとなった。

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 香港政府は同日、特定者への強制検査に関連する条例、第599J章について修正した官報を出した。第599J章は、感染対策の必要性に応じ、強制検査対象者の移動を制限するもの。または、全ての人が検査を受け検査結果が確認されるまで、クラスターが発生している施設を封鎖するための法的な枠組みを定めている。つまり、改正により感染者が発生した建物の住民にウイルス検査が強制され、結果が確認するまで外出を禁止するもので、「禁足検測令(禁足令)」といわれている。事実上、当該施設だけを対象にしたロックダウンといえる厳しい措置だ。

 措置は最大で7日間。12時間以上封鎖される場合は、政府から食料などの生活に必要な物資の支援が受けられる。違反した場合は、2万5,000香港ドルの罰金と6カ月の禁固刑が課される。

 葵涌(Kwai Chung)の葵盛西邨(Kwai Shing West Estate)第8座で新型コロナ感染者が12月9日までに累計22人に達しているが、9日の時点では禁足令は発令されていない。翌10日には九龍湾(Kowloon Bay)の麗晶花園(Richland Gardens)の第6座でも7人にクラスターが発生。D室に住む住人には強制的に住宅から離れる指示が出され、竹?灣(Penny's Bay)にある検疫センターで強制隔離が行われることになった。加えて第6座の全住民に強制検査を義務付けた。麗晶花園は2003年に大勢のSARS感染者を出した牛頭角(Ngau Tau Kok )にある淘大花園(Amoy Gardens)の水回りの構造が一部類似している。淘大花園よりは感染リスクは低いとしているが、さらなる感染者が増加する可能性があり、政府は禁足令を視野に入れていることを明らかにしている。