香港・黄埔にある定食店「米気(MAI-HEI)」(Shop 32-33, G/F, Pebbles World (Site 3), Wonderful Worlds of Whampoa TEL 3543 1101)で4月20日、青森県の食材を使った期間限定メニューの提供が始まった。
「日本の食堂」を目指す同店は「一汁三菜」の和食スタイルで、「米」「主」「冷」「温」などのカテゴリーの中からそれぞれ8~10種のメニューを用意し、組み合わせて提供することで人気を集めている。これまでにも福岡、宮崎、京都など県をテーマに特別メニューを提供してきたが、今回は初めて青森県の食材で期間限定のメニューを作った。
「これまでに実施したことがある九州のメニューだと、やはり肉がメインになることが多かった。しかし青森は海鮮、野菜などバラエティー豊かな食材を使うことができた」と、エグゼクティブシェフのドミニク(Dominic Li)さんは話す。「リンゴのイメージがどうしても強いが、たくさんの食材があることを伝えて青森を盛り上げたい」と意気込む。
青森の米「青天の霹靂(へきれき)」の上に大葉を敷き、その上に青森では定番の食べ方でもある「塩漬海膽(塩ウニ)」(38香港ドル)をたっぷりと載せたご飯メニューが一番人気だという。香港では日本のウニ=生ウニのイメージが強く、「塩ウニ」をこれだけ前に出すメニューはこれまで、あまり無かった。塩を振りかけるだけで、ウニの臭みが取れて濃厚さがこれだけ出ることに驚く香港人も多いという。瓶状のため保存もでき、香港でも購入したいという声もあるようだ。
ウニと並んで人気があるのが「山神漁師炸帆立貝(ホタテフライ)」(48香港ドル)。青森県むつ湾は、津軽半島と下北半島に囲まれ、外洋から守られており、八甲田山系のミネラル豊かな栄養分が流れ込むため豊富なプランクトンが発生する。香港でもホタテも人気だが、フライにするというイメージはあまり持ってない人が多い。揚げ物自体は好きな香港人に向けて、同メニューを採用したという。
ほかに王林とトウモロコシのサラダ「青森粟米蘋果沙律」(28香港ドル)には、県産の糖度18度以上の甘いトウモロコシブランド「嶽きみ(だけきみ)」を使う。青森側からは天ぷらにする食べ方も浸透していると聞いたが、既にホタテの揚げ物があったことと、香港の場合、野菜を天ぷらにしてしまうと安いものだと感じてしまう可能性があることから、生で食べることができるサラダにした。甘めの茶わん蒸し風の卵豆腐「鱈魚子玉子豆腐」(32香港ドル)も県民が「おふくろの味」と親しみ、どこのスーパーにも売っている品で、シイタケやタケノコなどの具も入っているものにイクラを載せた。
デザートには王林のシャーベット「青森蘋果雪芭」(32香港ドル)を手作りする。これが最も手間が掛かるものだといい、果肉もしっかり感じられる「しっとりとした」シャーベットに仕上げた。全ての青森メニュー5種を提供するセットは178香港ドルに設定する。
併せて、同店に併設するドリンク店「SWEET CRAFT」でも、王林の果肉もしっかり入った炭酸ドリンク「青森林檎」(28香港ドル)も販売している。
営業時間は12時~22時。青森メニューは3週間ほど提供する予定だが、無くなり次第終了。