香港島の南側スタンレー（赤柱）に7月16日、カフェとベーカリーの複合店「Pane e Latte（パーネ・エ・ラッテ）」（G/F, U-c Court, 25 Stanley Market Road, Stanley, Hong Kong）がオープンした。経営は香港内で生パスタが人気のイタリアン「Pici」や「The Pizza Project」を展開する「Pirata Group」。

ショーケースには各種ブレッドが並ぶ

　「Pane e Latte」はイタリア語で「パン」と「ミルク」を意味するが、イタリア海辺のベーカリー「パネテリア」とジェラート店「ジェラテリア」を合わせたような店を出そうと、新しいコンセプトを掲げた。海辺のロケーションを最大限に生かそうと、南イタリアのアマルフィ海岸へ広がる町「ポジターノ」の崖の上にあるカラフルな家々をイメージしているという。ストライプのビーチパラソルは柔らかなジェラートカラーのドーム型の窓辺の日よけとして表現した。

　自然光を取り入れるために広々とした空間に、全体的に淡いピンク色を基調にまとめ、床から天井までの高さのある窓を設け、柱にはドレープカーテンをつり下げた。天井は、麦畑をイメージしてアシで編んだシートで覆い、ファンが回る。床には、フィレンツェが本場の素焼き「テラコッタ」を敷いた。壁やカウンターには、イタリアの海辺で過ごした家族の写真やつぼ、絵画など、ミラノから取り寄せたアンティークを飾るほか、食器類もミラノやトリノの市場から仕入れたものを使う。

　階下には、ガラス張りのベーカリーとフードラボがあり、職人がパンやペストリーを作る様子も見ることができる。イタリアの伝統的なベーカリーとグローバルなカフェ文化を融合した空間に仕上げた店内では、朝食で始まり、イタリアディナーやランチの前におつまみを食べながらお酒を飲む時間「アペリティーボ」に至るまで、一日中、さまざまなシチュエーションに合わせて楽しめるよう工夫したという。

　9種類のイタリア産小麦粉を使い、伝統的な焼き菓子を一日中提供する同店。柔らかいイースト生地で作ったイタリアのドーナツ「ボンボローニ」（42香港ドル）には、カスタードクリーム「クレマ・パスティッチェラ」が入っているが、バニラ、チョコレート、ヘーゼルナッツとチョコの「ジャンドゥーヤ」、さらには香港ミルクティーを使ったものまである。同店が新しく開発した「クロワッサン・ボンボローニ」（38香港ドル）は、オレンジブロッサムのクリームを入れ、周りをクロワッサン生地で巻いた。

　シグネチャーのパンは、ミニトマトが入った南イタリアの郷土料理「フォカッチャ プリエーゼ」（58香港ドル）をはじめ、さまざまな種類のサワードウブレッド、チャバタ、バゲット、ライ麦パン、ブリオッシュなどを並べている。

　エグゼクティブ・シェフのステファン・ヴィユー（Stephane Vieux）さんは「私たちは近道をしない。生の食材を仕入れ、毎日新鮮なものを作っている。その違いをお客さまに感じていただけると信じているから」と話す。

　ケーキカウンターでは、ダブルマスカルポーネチーズケーキ、ビスキュイ生地を並べ、その中にババロアを流し、フランボワーズソースを詰めた「シャルロット・フランボワーズ」（58香港ドル）などを用意する。
開店から閉店まで、サラダ、フォカッチャ、サンドイッチをはじめ、エッグベネディクトやアボカドトーストなどシンプルなメニューを「all-day breakfast」（98香港ドル～）カテゴリーとして終日提供するほか、トリュフクロワッサン（128香港ドル）など、ブランチに最適なプレート料理も用意する。

　グランドフロアには8月にジェラートコーナーを設ける予定で、イタリアで親しまれているフローズンデザートに、クリーミーなソフトクリームと綿菓子やダーク＆ホワイトチョコレートなどのトッピングもできるジェラートを提供する予定。

　営業時間は8時～21時。