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香港に早朝から生マグロを提供する海鮮丼「生鮪」 豊洲直送で場外をイメージ

豊洲直送のマグロを使った丼メニューを提供する

豊洲直送のマグロを使った丼メニューを提供する

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 香港の金融街・中環の中心に朝から豊洲直送の生マグロを丼で提供する「生鮪(なままぐろ)」(Two Chinachem Plaza, G/F, Two Chinachem Plaza, 68 Connaught Road Central)が6月の半ばにオープンして2カ月が過ぎた。

白板の打ちっぱなしにのれんをかけた店舗入り口

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 入り口部分は工事中のような白板の打ちっぱなしにのれんだけを掛け、金融街にありながらも掘っ立て小屋のような店構えが特徴。もともと同スペースで展開していた店の契約期間は10月半ばまでだったこともあり、この場所を生かし、コロナ禍にも強い業態として挑戦したという。

 以前より「『おまかせ』などで食べる生マグロをもっと手軽な方法で楽しむことはできないだろうか」と考えていたオーナーの陳方藤(Meter Chan)さん。香港は日本との距離も近く、その日に取れた魚介類は夕方には香港に届き、席数の少ない『おまかせ』の店であれば、ディナー時に提供することもできるという恵まれた条件にあるが、すぐに提供できるのは一般的に高級店に限られていた。「食を通じて日本の文化を香港に紹介する」を掲げる同グループが挑戦したのは、コロナ規制で夜の営業時間の短縮など規制が続いた香港で、「その日に到着したマグロを新鮮に、リーズナブルな価格で出すことができるのは翌朝かもしれないという気付きが生まれ、この店の発想に至った。」と陳さんは挑戦の背景を語る。予想は的中し、朝からの店に元朗や柴湾から来てくれた人もいるといい、日本でしか味わえない体験を楽しんでいるようだ。

 店内も外観と同じように、打ちっぱなしの板で作られたテーブルや椅子(26席)が並ぶ。

 メニューは「中落ち丼」(138香港ドル)をはじめ、「中落ち・赤身丼」(198香港ドル)や、人気の「中落ち・赤身・中トロ・大トロ丼」(298香港ドル)など12種類を用意した。ほかにも香港人が好むウニやイクラ、甘エビなどを組み合わせた「中落ち・ウニ・イクラ丼」(218香港ドル)や「中落・甘えび・イクラ・ホタテ・ウニ丼」(288香港ドル)などもある。みそ汁なども付き、生卵は香港人気ブランド「蘭王」が12香港ドルの追加でオーダーできるようにした。

 これまでにもマグロの状態に問題があるなどして、その日の営業を取りやめたことがあったというが、今後も台風の季節、飛行機でその日に運ぶ食材だからこそのリスクを抱えても、それ以上の手応えを感じているという。

 挑戦はとどまらず、築地本願寺の寺カフェなどでも話題を呼んだお盆に小鉢がびっしり敷き詰められた朝食をイメージし、全てマグロ料理の小鉢でまとめた「二十鮪」を1日4人限定で提供したところ、あっという間に売り切れた。「コロナ禍で長い間チケットを買うという行為からも長く遠ざかっていたため、1日4人限定のチケットをネットで買うこと自体に楽しさがあったのかもしれない」と陳さんは分析する。好評を受け19日15時30分から、9月1日~4日のディナー時間帯に1日20食限定で予約を受け付ける。

 営業時間は月曜~土曜=8時30分~15時。日曜・祝日定休。

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