香港で人気のアメリカンイタリアンソーシャルクラブ「Frank's」(Harilela House, G/F & 1/F, No. 79 Wyndham St, Central Tel: 2320 0858)が9月3日、夏から続いた改装を経てリニューアルオープンした。アメリカンイタリアンとは、イタリア系移民がイタリア料理の文化をアメリカに持ち込み、そこからアメリカで独自進化した料理で、ニューヨークやニュージャージーで楽しむことができるカジュアルなイタリア料理だ。
「ヒップホップへのこだわり、ホスピタリティーへの情熱、料理やバーなどの本質的な構成要素は変えていない」(同店)が、バーエリアのスペースを広くし、1階のダイニング&カクテルラウンジにはHi-Fiサウンドが楽しめるバーに仕上げ、ターンテーブルを備えた新しいDJブースも設置した。
キッチンとバーの垣根を取り払った新しいカクテルも開発し、揚げパスタなどのつまみに合わせたドリンクも提供する。グランドフロアのバーでは、同店ならではのイタリアとアメリカの食材で作った13種類のクラシックカクテルを用意した。階下のにぎやかさとは対照的に階段を上ったラウンジでは、伝統的なバジルソース「ペスト」のレシピに着想を得た「Farfalle Alla Genovese (アッラ・ジェノベーゼ)」(115香港ドル)やアイコニックな「Tom Collins(トム・コリンズ)」などを用意する。自家製の松の実のシロップを加え、香りと色を出すために新鮮なイタリアンバジルを混ぜ、イタリア産のレモンジュースでバランスを取っている。
今回のリニューアルにより、ビニー・ローリア(Vinny Lauria)シェフは、イタリアン・アメリカン料理の概念を広げ、地元の食材や料理を取り入れ、世界の味を楽しむことができるようにしたという。これまでも人気の高かったメニューであるミートボール「Frank's Meatballs」(85香港ドル)、トマトとブラッターチーズの組み合わせ「Homemade Burrata」、「Linguine Clams、Spaghetti Meatballs」(以上165香港ドル)、「Orechiette with Homemade Sausage and Broccoli Rabe」(155香港ドル)などの主力メニューは残したが、イタリアン・アメリカン料理を再定義しようと新しいメニューが3分の2を占める。
新メニューはローリアシェフ自身の「アメリカンイタリアン」体験を表している。ローリアシェフは、アメリカでイタリア系移民2世の間に生まれたが、香港に移民し、祖父のレシピを持ち込んで、香港で生活する中で得た料理から得たインスピレーションと組み合わせた。常連客も気に入ってもらえるように、アジアでキャリアを積み、見つけた味を作り出しているという。
パスタ類には、「Lasagna Fritta(ラザーニャ・フリット)」(165香港ドル)など新メニューを投入した。これは、ラザニアをスライスしてフライパンと焼いたもので、スライスしたラザニアの周りにパリッとしたクラストができ、ソースが溶け込むイタリアのおばあちゃんスタイルの料理が原点となっている。
Mafaldine Bolognese(170香港ドル)は、100%地元産の食材を使い、刀削麺に敬意を表してユニークな形のパスタにしている。ウニパスタ「An Urchin Caramelle Pasta 」(180香港ドル)は、2つに1つの割合でウニを入れ、残りはローストしたトマトとリコッタを詰めてキャンディーのような形状で遊び心を利かせる。唐辛子、ガーリックチャイブ、レモン、ナンプラーで作ったコラチュラバターを使ったドレッシングで、一口ごとの味の変化も考えた。
営業時間は12時~深夜。月曜・火曜定休。