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香港にフレンチ・チャイニーズ「MORA」 コース全てに大豆使う

すべてのメニューに大豆や豆腐、豆乳などを使う

すべてのメニューに大豆や豆腐、豆乳などを使う

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 香港・上環の美術品や骨とう品で知られる羅上街に1月15日、大豆を主原料としたメニューを提供するモダンフレンチ・チャイニーズ「MORA」(40 Upper Lascar Row, Sheung Wan, Hong Kong, TEL 9583 8590)がオープンした。

店内はオフホワイトとグリーンで温かみのある印象に

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 シェフ兼オーナーのヴィッキー・ラウ(Vicky Lau)さんは皿をキャンバスのように考え、芸術的感性で業界をリードする女性シェフとして、2012年以来、ミシュラン1つ星を維持し、2012年には2つ星にアップさせた。MORAの厨房を率いるパーシー・ホー(Percy Ho)シェフは、点心師だった父親が地元の街市で食材を買う幼少時代を過ごし、Fish Schoolを経て、斬新な西洋料理と海鮮料理の腕を磨いてきた。ミシュランで2つ星を獲得した「TATE Dining Room」の副料理長にもなり、今回は「MORA」の料理長に任命され店を受け持つ。

 場所柄、歴史的なアンティークショップに囲まれた環境の中で、宋代の洗練された繊細なデザイン、1930年代のフレンチの影響などを組み込んだ。湯葉をイメージした3Dプリントのペンダントライトなど、店内の要素にも「大豆」を組み込む。店内には、豆腐の製造工程を説明する中国古来のパネルも設置。パリのビストロもイメージし、こぢんまりとした店内は28席を備え、家庭的で温かみのある雰囲気に仕上げた。

 香港で最も古い食の伝統である大豆食品。地味でありながらも、万能な食材である大豆の「料理上の重要性に敬意を表す」という。大豆はアジアの料理や文化の柱となるもの。

 現在はテイスティングメニュー「CHARACTERS OF SOY」を提供する。前菜、メイン、デザートから成る10皿のコースは、伝統的な中華メニューとは一線を画す。他の食材と組み合わせることで大豆食品の可能性を広げる。

 「豆腐や豆乳など、大豆を原料とする食品は、私の食生活に欠かせないものだったが、料理人として大豆のことを知れば知るほど興味を持った」とオープンまでの経緯を語る。ヴィキーさんのTATE Dining Roomでも一昨年6月のランチメニューで豆腐をテーマに展開し、そのころから大豆への探求が始まったという。

 地元の農家や生産者と強い関係を築きたいと可能な限り地元で調達することで、地域社会に力を与える。ワインや魚、非遺伝子組み換え大豆など、ほとんどの原材料を持続可能な方法で調達している。

 コースメニュー(880香港ドル)は、前菜的な「絹 SILKEN」に「脆 CRISP」「玉 JADE」「露 DEW」、デザート「雪花 ICE」とカテゴリーごとの名前を付けた。季節によって内容を変更をするが、現在はオープニングメニューを設定。「SILKEN」でスタートする前菜は全部で5アイテム。豆腐の皮にシマアジタルタルをのせた和のテイストを感じさせるものや、自家製の柔らかい豆腐にオセトラキャビアと薬味を添えたもの、北海道産ホタテの豆乳炒めなど。

 2つ目のカテゴリー「CRISP」は、「最も楽しい食感」を提供する時間だという。イトヨリダイから取るフレンチのだし汁「フュメ」と湯葉、イベリコハムとエビが入った揚げ出し豆腐は、パリッとした食感に仕上げた。

 麺料理も提供する「JADE」は、冷やし鶏の豆乳麺にトウバンジャンを入れたものや、紅豆腐のマリネにクリスピーな三元鶏を合わせた。紅豆腐は、豆腐、紅こうじ、唐辛子を混ぜ合わせ、クリーム状になるまで発酵させたもので、肉料理に使うと複雑なうま味が加わり、より一層味わい深くなるという。

 季節ごとに変わる豆腐の煮込みを提供する「露 DEW」の第1弾には、麻婆豆腐をブルターニュ産ブルーオマールエビと一緒に合わせたものを提供する。デザートには、サツマイモのブリュレに自家製豆乳アイスを添えた。雲南産高級プーアール茶を合わせる。

 営業時間は、ランチ=12時~15時30分(金曜・土曜のみ)、ディナー=18時~23時30分。現在は新型コロナ肺炎措置に準じて昼間のみ営業している。

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