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中環にまきと備長炭で直火のグリル「Fireside」 素材を生かした熟成肉・魚を提供

テーブルから炎がよく見え、シェフは舞台のようなパフォーマンスを提供

テーブルから炎がよく見え、シェフは舞台のようなパフォーマンスを提供

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 香港・中環の石畳が続くポッティンガーストリートに9月15日、木材と備長炭で直火式のグリルダイニング「Fireside」(H Code The Steps 5th Floor, 45 Pottinger Street, Central TEL 6610 8689)がオープンした。

北西スペインのルビア・ ガジェーガ(Rubia gallega)牛と牡蠣のタルタルに北海道のうにを添えた一品

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 店名には「炎」の意味を込め、直火で焼き、それぞれの食材の風味と複雑さを生かした料理を提供するのがコンセプト。持続可能な形で調達された世界各地の食材をアーモンド、オーク、ライチなどのまきを使った直火のグリルで一皿一皿に独特のスモークの香りが漂わせた料理を提供する。

 一つの料理の方向性にとらわれず、キッチンにはさまざまな種類のまきと備長炭を燃料とする直火式グリルを設置し、精肉から薫製、熟成、グリル、盛り付けまで全てを自分たちで手掛けるダイニング体験を提供する。スペイン料理、日本料理、ラテンアメリカ料理の要素を取り入れた同店のメニューは、特定の料理の伝統に縛られることなく、素材の味を最大限に引き出すための調理法を採用する。

 店内はパフォーマンスを繰り広げるシェフを囲むようにカウンターを配置し、グリルの様子を目の当たりにできるオープンキッチンを採り入れ、温かく燃え盛る炎のそばに座り裏庭でのバーベキューのような感覚を味わえるようにした。8人まで利用できる専用のプライベート・ダイニング・ルームも用意。バルコニーで風に吹かれながらの食事を楽しむこともできる。席数は30席。

 併設するカスタムメードのブッチャールームには、職人技が見られるドライエイジングミートが並び、薫製の香りが漂う。

 エグゼクティブ・シェフのミゲル・ガロ(Miguel Gallo)さんが指揮を執る。イタリアと南米にルーツを持ち、スペインと香港でグルメな経験を積んだガロさんは、Aqua Restaurant GroupとSmoke & Barrelsで活躍してきた。ガロシェフはスペインのミシュラン星レストランであるバルセロナの「Bravo24」でカルレス・アベランシェフからまき火料理を学んだほか、「エル・ブジ(El Bulli)」の3つ星シェフであるフェラン・アドリアさんと共にした時間や経験を生かす。

 食感の良さと独特のハーブの風味をもつスペインガリシア地方の牛「カケーナ」、湖水地方の原種の羊「ハードウィックシープ」などの肉料理は、肉をまるごと調理し、「無駄を省いて全ての部位を味わうことも大切に考えている」という。

 魚介類は毎日、地元で獲れた旬の魚を肉と同じように、木材で低温薫製して魚介類を熟成させることで、味にうま味を加える。冷薫することで「強烈でユニークな風味を持つ魚料理に仕上がる」という。
霜降り度が高く「濃厚でジューシーな味わい」で知られる「マンガリッツァ豚」の脂身を特製のフランバドーで焼いた北海道産のホッキ貝も代表メニューの一つ。

 ニュージーランドのサーモン「Ora king salmon」は3日間熟成した後、アップルウッドで薫製にした。コースは全部で8コースで、価格は1,290香港ドル~。コースメニューに追加でオーダーできる鴨のコンフィに米を添えた「Confit Duck with Fire Cooked Rice」もシグネチャーの一つで、アーモンドウッドの香りが漂う特製グリルで焼き上げ、ジュージューと音を立てたまま四角いスキレットで提供する。

 営業時間は12時~22時。日曜定休。現在はソフトオープニング中。ランチの提供は11月開始を予定。

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