ビクトリアハーバーを周遊するフェリーツアーを中心に運航している東方之珠(Oriental Pearl)は5月29日、毎週日曜に中環(Central)と大嶼山(Lantau Island)にある観光地の大澳(Tai O)とを結ぶ新しいフェリールートの営業を始めた。ビクトリアハーバーを中心としたビジネスを行ってきた東方之珠だが、場所的には気軽に行ける距離ではない大澳への新ルートにより、同エリアが観光地としてより人気を集めることへの期待が高まっている。
東方之珠は、紅●(南)(Hung Hom(South))-尖沙咀(Tsim Sha Tsui)-中環-湾仔(Wanchai)-銅鑼湾(Causeway Bay)-北角(North Point)-太古(Taikoo)-啓徳郵輪碼頭(Kai Tak Cruise Terminal)-紅●(南)というビクトリアハーバーの東側を周遊するルート、紅●(南)-西九(West Kowloon)-青馬大橋(Tsing Ma Bridge)-堅尼地城(Kennedy Town)-西環(Sai Wan)-中環-湾仔-銅鑼湾-紅●(南)のビクトリアハーバー西側を回るルート、紅●(南)-西九(West Kowloon)-西環-中環-幻彩詠香江(A Symphony of Lights)-湾仔-銅鑼湾-紅●(南)のルートがある。特にシンフォニー・オブ・ライツを見るフェリーは、地元香港市民のみならず観光客にも人気ルートだ。
同社が所有する船は最大486人が乗船可能で、360度見渡せる甲板を持ちビクトリアハーバーをどこからでも楽しめるほか、船を使った披露宴、会議、展示会なども開かれてきた。
大澳は、水上生活者が住んでいることから東洋のベニスともいわれている。水上生活者は、昔は多くいたが、今ではほとんど見ることができないだけに貴重な存在となっている。中心街にはおしゃれなカフェや雑貨店、昔の警察署を改修してホテルに生まれ変わった大澳文物酒店(Tai O Heritage Hotel)、エビをペーストした「蝦醤」を製造している工場など観光資源が多くある。しかし、同所まで行くにはMTRやバス、昂坪360(Ngong Ping 360)などに乗り換えていく必要があり、交通アクセスが良くないことから、このルートを開設した。
具体的なルートは、中環9号碼頭(Central Ferry Pier No.9)-葵青貨櫃碼頭(Kwai Tsing Container Terminals)- 青馬大橋-黄金海岸(Gold Coast)-香港国際空港(HKIA)-港珠澳大橋(HZMB)-将軍石(Tseung Kwan Shek)-大澳を回るルート。所要時間は片道約2時間で、東方之珠によれば「運が良ければピンクドルフィンもみられる可能性がある」という。
船は1日1便のみで、料金は往復130香港ドル。出航は、中環発=9時30分、大澳発=16時15分。
●=石へんに勘