香港で展開するドンドンドンキは8月17日、黄埔花園(Shop B1-B8 & B27-B32, Phase 2, Whampoa Fashion Plaza)に同社10店舗目となる新店をオープンする。店は駅C1出口と直結するモールにあり、建物の地下1階に1750平方メートルの規模で展開する。
コンセプトは「昭和レトロ」。日本でのレトロブームを受け、昭和の商店街をイメージした店内には、あんどんやレトロな看板の装飾のほか、けん玉や風鈴などの日本の伝統的な民芸品のデザインを施した。BGMには花火やパチンコを連想させる音も組み込み演出する。
入り口には大福のショーケースを置いた。焼き芋大福、ミカン大福、桃大福、マスカット大福など日本のフルーツを丸ごと包んだアイテムを1個29香港ドルで販売する。ビールの大瓶12本を購入すればケースごと提供するほか、パスタコーナーでは、ソース、パスタ、粉チーズやタバスコなどが1カ所で選べるよう売り場を工夫する。チーズも日本ではやったチーズデザートを売り場に並べた。
店がオープンするごとに新しい取り組みに挑戦する同社だが、同店ではテイクアウト弁当店「選楽食堂」をデビューさせた。古くから香港に定着しながらも、コロナ禍以降特に需要が増したテイクアウト方式として、「兩そう飯」と呼ばれる仕組みを応用し、お好みのおかずとご飯を組み合わせる。おかずは、「ナスの肉詰め天あんかけ」「肉じゃが」「こんにゃくのピリ辛炒め」「日本産豚肉の豚足」「さばのみそ煮」などをそろえる。通常は香港の家庭料理を中心としたおかずを20~30種類並べ、20~40香港ドル程度のリーズナブルな値段で提供するが、同店では1種類のおかずとご飯で49香港ドル、具材を少しずつ4種類選んで白ご飯とセットで79香港ドル、ほかにもおかず単品を35香港ドル、3品のおかずで69香港ドルに設定した。
「出来たての日本料理を温かくおいしい美味しい状態で提供したい」という思いから誕生したこの新コンセプトは、日本の総菜と、精米したて・炊きたての米(北海道産ななつぼし)を組み合わせて、好みの弁当にすることができる。体に優しい調味料を使ったり、包装材はプラスチック使用を可能な限り控えたりするなど環境の問題にも積極的に取り組む。
各店で併設を増やす「鮮選寿司(ずし)」は昨年10月のオープン以来、着実に人気を集め4号店となった。112の席数に加え個室を初めて設け、「おまかせスタイル」で提供する予定。オープン時は沖縄フェアを実施し、「そでいか」(12香港ドル)、「琉球すぎ」に加え「海ぶどうの軍艦巻き」(以上17香港ドル)など沖縄食材を用意した。
尖沙咀店に設置した日本米専門の販売コーナー「安田精米」も2店舗目の設置となる。日本から玄米のまま輸入した米を自社精米所で精米し、鮮選寿司や安田精米、さらに選楽食堂で提供するなど、日本米の鮮度にこだわる。
さらに、海外店で人気の和牛串を香港でも初めて販売開始。これは台湾とマレーシアの店舗で人気があるといい、黒毛和牛を鉄板で焼き上げ、串で提供する。キューブ型の和牛を串に刺すスタイルで、1串=38香港ドル、2串=70香港ドルとした。
営業時間は8時~翌1時(鮮選寿司=11時~22時、安田精米=8時~22時)。