見る・遊ぶ

香港でクロード・モネと旅するデジタル企画展 200点の作品を没入体験で

  • 19

  •  

 フランスの画家クロード・モネの作品を「独占的に」体験できる大型企画展「En Voyage with Claude Monet」が 10 月 27 日、西九龍文化地区カルチャープラザ(文化廣場)の特設会場で始まった。ベルギーのクリエーティブスタジオ「Dirty Monitor」と香港ローカルのアートテックオーガナイザー「ChillHoYeah」がキュレーションしたもので、モネの世界に没入できることに主眼を置く。

主催社や在香港フランス総領事館の総領事なども出席してオープニングセレモニーを開催

[広告]

 印象派の巨匠クロード・モネの作品約200点が、360度の音と光のショーによって、36分間のユニークなデジタルアート展としてよみがった。モネの代表作が会場の内外に置き、専用ヘッドセットを使って鑑賞することができるほか、ジヴェルニーのモネの家を巡るバーチャルリアリティ(VR)ツアーに参加することもできる。

 モネは2000点以上の絵画、スケッチブック、デッサンを残し、多作な画家としても知られる。過去の詩的な作品と未来のテクノロジーの架け橋となる同企画は、香港からベニス、ロンドン、ノルマンディーの海岸まで、モネの目を通して見た太陽の流れをたどる旅へと観客を誘う設定にした。「色、光、水の反射に対するモネの探求を共有すること」も狙いだという。

 オープニングセレモニーには、在香港フランス総領事館 クリスティル・デュリュ(Christile Drulhe)総領事、西九龍文化区庁最高責任者ベティ・ファン(Betty FUNG CHING Suk-yeeGBS)さん、キュレーター兼主催のChillHoYeah 社チャールズ・ウォン(Charles Wong)取締役、Dirty Monitor Production社ベンジャミンバウエンス(Benjamin Bauwens)CEOらが出席した。デュリュ総領事は「印象派運動の名前の由来となったモネの絵画『印象・日の出』の誕生150年を祝う今年、この展覧会はモネの絵がいかにモダンであったかをはっきりと教えてくれる」とあいさつで述べた。

 企画したメンバーの一人、チャールズ・ウォンさんは、先に開かれた記者会見で「芸術とは、想像力を刺激し、落ち着きと静寂をもたらし、観客にインスピレーションを与えるもの」と話し、企画の意図を説明。「5.7メートルの高さのプロジェクションスクリーンで36分間の没入型体験を楽しむことで、観客はモネの旅の一部となり、色、光、水の反射に対する彼の探求を共有することができる」と話す。1日16回のショーを予定する。

 200点以上のモネの作品を連続的に見せることで、「技術、テーマ、そしてモネのビジョンの進化も感じられるように仕上げた」という。「モネの作品について語るとき、特にユニークで、重要で、魔法のようなものになるように構成した」とも。中でも『印象・日の出』はモネが1872年に描いた絵画。印象派の名前の由来となる美術史上、重要な意味を持つ作品だが、これらをはじめ多くの作品を「体験」できるのが特徴。

 企画制作には、15人のデジタルアーティストと共に6カ月以上の作業を経て完成させた。没入感を演出するため、サウンドにもこだわる。オリジナル・サウンドトラックの作曲、制作、演奏に、「Echo Collective」とチームを作り、デジタルアーティストと一緒に作品を作り上げた。

 メインスポンサー「CC Landホールディングス」の担当者は「香港のさまざまなアートプロジェクトのキュレーターやクリエーターと協力して、芸術の発展・促進に努めてきた。パートナーシップやコラボレーションを通じて、一般の人々の関心をさらに高め、芸術と文化を愛するより多くの、より広い聴衆を育て社会貢献したい」と話す。

 開館時間は9時30分~22時30分。入場料は、大人(15歳以上)=288香港ドル、子ども(4歳~15歳)=238香港ドル、ファミリー(大人2枚+子ども1枚)=692香港ドル、子ども(4歳以下)無料。12分間のVR体験= 28香港ドル。1月15日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース