沙田にある香港文化博物館で現在、漢から清までの中国本土の女性たちの生き方にフォーカスした「南京博物院藏中國古代女性文物展(南京博物館所蔵-中国古代女性文物展)」が開催されている。康樂及文化事務署と南京博物院の共催。
中国本土の様々な時代の女性たちが描いた絵画、刺繍、工芸品などを展示
南京博物院は北京故宮博物院と並ぶ中国最高峰の総合博物館で、40万点以上の作品を所蔵しており、その中の約2,000点は国宝として保管されている。敷地面積7万平方メートルには2カ所の遼式宮殿がある。明王朝時代と清王朝時代の皇室御用磁器の展示品数は世界最多の一つ。この博物院から所蔵物118点を初めて展示している。
昨年11月29日に行われた開幕式で、楊潤雄文化體育及旅遊局局長は「今回の展覧会では、南京博物院から118点の精巧な文物を選んで展示している」とあいさつし、「香港で初めて一級国宝21点が展示されるのは非常に珍しいこと」と述べた。
今回の展示品は、いくつかの王朝にまたがり、日常生活のさまざまな場面で、古代中国の女性の美徳、美、知恵を表現したという。歴代王朝時代の中国の女性の豊かで多様な生活様式を知ることで、社会の発展を感じてもらうなど、国宝を新たな視点で解釈し、古代と現代の女性像を比較することで、来場者に中国文化について考え、理解を深めてもらうことを目的としている。
展示は4つのパートで構成。第1部は、古代女性の髪型、化粧、衣服の流行の変遷を取り上げた。第2部では、生活必需品やアクセサリーに焦点を当て、さまざまな社会階層における女性の経験を探る。第3部では、古代中国のさまざまな時代の女性たちが描いた絵画、刺しゅう、工芸品などを展示し、その才能と創意工夫を紹介。第4部は、芸術家たちが描いた女性の絵で、「伝説的な女性たちの物語を探れるようにした」という。
中でも、国宝級の長さ13メートルの清朝時代の絹本著色画「閑古鳥が鳴いている」を注目作品として挙げる。この絹絵は、竹林、庭園、廊下、段々畑など20以上のシーンが分かり、古代女性のさまざまな遊び方を感じ取ることができる図鑑のような作品に仕上げている。
加えて、明代に文人として活躍した唐寅の作品や、清朝晩期上海の画家任熊が古代女性の美しさを描いた「瑤宮秋扇圖」の掛け軸も「見逃せない展示物」だとし、清朝時代に貴族の称号を与えられた女性が公式な場で着用した金や宝石で飾られた王冠、清朝末期の刺繍で知られる沈壽の代表作「美國女優倍克像」の刺しゅう作品も展示している。
2月27日まで。