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香港経済新聞編集部が選ぶ2022年の十大ニュース

2022年もコロナ一色だった香港ニュース

2022年もコロナ一色だった香港ニュース

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 2022年の10大ニュースは、3年目を迎えた新型コロナウイルス一色だったが、オミクロン株が主流となり政府指定ホテルでの強制隔離が撤廃されるなど社会活動も元に戻り始めた1年でもあった。小売店と飲食店では閉店・休業と新規開店・復活の両方があったほか、東鉄線(East Rail Line)の延伸、香港故宮文化博物館のオープンなどのポジティブなニュースもあった香港の1年を振り返る。

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1、観光客などへの鎖国解除および強制隔離を撤廃(2022年9月24日付ほか)

 ゼロコロナを標榜し、鎖国政策を採用してきた香港政府だったが、感染力は高いものの重症化リスクが低いオミクロン株が主流になったこと、ハイブリッド免疫を持つ香港人も多く、経済面でも海外とのつながりを重視した結果、観光客やビジネス客にも渡航を解禁した。また、渡航の大きな障害となっていた政府指定ホテルでの強制隔離も9月26日より撤廃された。

2、行動はワクチンパスが基本に(2022年1月31日付ほか)

 香港政府は「疫苗氣泡(Vaccine Bubbles)/ワクチンバブル」と称してきたワクチン接種などを前提とした各種防疫措置について、2月から「疫苗通行證(Vaccine pass)/ワクチンパス」と呼び方を変えた。施設に入るには追跡アプリの「安心出行(LeaveHomeSafe)」を使い、年齢に応じて必要なワクチンの接種回数が求められること人なった。生活に密着した話題であり、ワクチンパス関連記事だけで10本を超えた。

3、東鉄線延伸、金鐘から上水まで乗り換えなしで(2022年5月4日付)

 羅湖(Lo Wu)と紅●(Hung Hom)を結ぶ東鉄線が南進してビクトリアハーバーを超え、金鐘(Admiralty)まで延伸する路線が開通した。延伸部分の総延長は6キロで、金鐘から上水(Sheung Shui)までを乗り換えなしで約40分で行けるようになった。また、延伸部分は?湾線(Tsuen Wan Line)とほぼ並行して走るため、乗客の分散による混雑解消も期待されている。

4、世界的なインフレ。香港でも電気代、交通費などが値上げ(2022年7月18日付)

 コロナ禍からの経済回復、ロシアのウクライナ侵攻の影響で世界的なインフレが発生しているが、香港にも波及した。7月に入り、タクシー、トラム、電気代が一斉に値上がりした。ほかにも、再開したピークトラム、郵便料金、食料品なども値上がりしている。

5、将軍澳にトンネルと大橋完成。香港島との交通利便性が向上(2022年12月5日付)

 九龍東部の藍田(Lam Tin)から将軍澳(Tseung Kwan O)を結ぶトンネル「将軍澳-藍田隧道(将藍隧道)(The Tseung Kwan O-Lam Tin Tunnel / TKO-LTT)」と将軍澳と日出康城(Lohas Park)一帯を結ぶ海上橋の「将軍澳跨灣連接路(跨湾連接路)(The Cross Bay Link, Tseung Kwan O / CBL)」が開通した。特に九龍東部-香港島間の利便性が向上する。

6、マツキヨやコメダ珈琲など、日系企業の進出続く(2022年5月11日付など)

日本最大手のドラッグストアの1つ、マツモトキヨシが1店舗目を觀塘(Kwun Tong)にオープンした。その後、銅鑼湾(Causeway Bay)には旗艦店が開店させるなど、すでに5店舗を展開している。コメダ珈琲店も、黄埔(Whampoa)に香港初出店を果たした。香港国家安全維持法が制定されて2年以上が経過したが、日系企業は進出を続けており、依然として「政冷経熱」が続いている。

7、香港故宮文化博物館が開業(2022年6月29日付)

 西九文化区(West Kowloon Cultural District / WKCD)に建設中だった「香港故宮文化博物館(Hong Kong Palace Museum / HKPM)」がオープンした。2021年の「M+」の開業に続く大型芸術施設で、芸術のハブも目指す香港の中核施設となる。北京にある故宮博物院が収蔵する書物、陶磁器、像、絵画など186万点の膨大な収蔵品中から、象徴的な文物を一定期間、香港の故宮に貸し出す形で展示していく。

 8、香港アイドル「MIRROR」の事故、「COLLAR」の誕生(2022年1月27日付ほか)

 大人気アイドルグループ「MILLOR」が香港体育館(Hong Kong Coliseum)で開催したコンサートで、天井から吊り下がっていた重さ600キロの大型スクリーンがメンバーの1人である李?言さんらの上に落下した。李さんは、一命を取り留めたものの通常の生活まで回復するには厳しい状況と言われている。一方、地上波テレビ局、ViuTVのリアリティ番組「全民造星」で勝ち上がったメンバーで結成した女性アイドルグループ「COLLAR」が誕生した。MILLORの女性版・妹的な存在として活動していく。

9、店の閉店・休業と新規開店・復活の悲喜こもごも(2022年2月17日付ほか)

 新型コロナウイルスに対する厳しい防疫対策で店内飲食が大幅に制限されたほか、街を歩く人も減った。その結果、優の良品(AJI ICHIBAN)、蓮香楼(Lin Heung Tea House)らは閉店を余儀なくされた。陸羽茶室(Luk Yu Tea House)、美都餐室(Mido Cafe)などは一時休業していたが営業を再開した。東シナ海で沈没した珍寶王國(Jumbo Kingdom)の姉妹船の「太白海鮮舫(Tai Pak Floating Restaurant)はオーナーが変わり復活を目指している。

10、3年連続で1万香港ドルの電子マネー給付(2022年3月10日付ほか)

 香港政府は、新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込んだ経済を刺激するため、2022年も1万香港ドル分の電子マネーを支給した。給付は3年連続となる。今年は5000香港ドルずつを2回に分けたが、消費を分散させることで経済効果が少しでも長続きすることを狙った。

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