マカオ政府は12月22日、新型コロナウイルスの防疫対策についての緩和策を発表した。海外や香港からマカオに入境者にはホテルや自宅などで5日間の自主隔離を求めていたが、12月23日より撤廃した。併せて、マカオ到着時のPCR検査も廃止。これにより香港とマカオの日帰りでの往来が3年ぶりに可能になった。
香港は30日現在、検査による陽性反応を示した人は259万6426人、最終確定した累計感染者は51万1323人、死亡者は1万1755人となっている。新規感染者は2万7830人、うち779人は海外からの輸入症例。一方、ワクチン接種者については、1回目が690万8336人(94.6%)、2回目を終えた人は678万7250人(93%)、3回目も終えた人は579万6413人(83.2%)、4回目が80万5019回となっている。
香港政府は、中国本土やマカオと比べていち早くゼロコロナからウィズコロナ政策に切り替えてきた。マカオにおいては、病院数、ベッド数、医師の数などといった医療体制が十分であるとは言い切れず、仮に感染爆発が起こったときに対応しきれる保証がなかったことと、経済を中心に中国とのつながりが香港以上に強く、中国政府のゼロコロナ政策に合わせる形で厳しい措置を取ってきた。
しかし、中国政府がゼロコロナからウィズコロナに政策を転換したことに合わせる形でマカオ政府も12月7日からウィズコロナに変更し緩和策を打ち出すことを明らかにしていた。その後の緩和策のスピードは早く、12月16日にも緩和策を発表し、12月22日にも、さらなる緩和策を発表した。
新方策は、12月23日から適用されている。海外及び香港からの入境者に対しては、マカオ到着時のPCR検査と5日間のホテルまたは住宅での隔離が求めていたが、両方とも撤することになった。ただし、入境翌日を1日目として5日間は自己健康管理期間となり、マカオ入境時に必要な「澳門健康碼(Macau health code)」(香港における「健康及檢疫資訊申報〈Health & Quarantine Information Declaration〉とほぼ同じ)において、5日間は黄色のQRコード表示となる。
1日1回、5日間連続で抗原検査を行い、その結果を澳門健康碼にアップロードしなければならない。最終日まで陰性であればQRコードは緑色表示に変わる。マカオに向かうときには72時間以内に受験したPCR検査の陰性証明の提示も必要となる。中国の渡航は入境後9日目までは不可となっているが、香港、台湾、海外にはすぐ渡航可能。これにより香港とマカオは約3年ぶりに、日帰りで往来することが可能となった。
マカオ内での行動制限だが、「安心出行(LeaveHomeSafe)」のように多くの施設で澳門健康碼を提示する必要があった。今後は黄色のQRコードでも受け入れ先側の判断に委られることになる。すでに多くのスーパーやショッピングモールでは提示が必要なくなっているのが実情。カジノを含んだ統合型リゾート施設においても、受け入れるかどうかはリゾート側の判断によるが、ゆっくりと認められるものと考えられている。
ウィズコロナへの転換に伴い、12月17日より、港珠澳大橋(HZMB)を走るシャトルバスも大幅に増便された。香港-マカオ間は10時30分~19時30分は1時間に1本、マカオから香港は12時から20時までの間に1時間に1本となる。マカオと上環(Sheung Wan)および九龍(Kowloon)を結ぶ高速フェリーは以前として運休しているが、香港国際空港-●仔島(Taipa)とのフェリーが12月30日に再開することから、両区間の早期再開が待ち望まれている。
●=乙へんに水。