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香港の故宮博物館で「カルティエ」の特別展「百樣玲瓏ーCARTIER AND WOMEN」

ネックレスやティアラなど煌びやかなアイテムが展示されている

ネックレスやティアラなど煌びやかなアイテムが展示されている

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 フランスを代表する宝飾・時計ブランド「カルティエ」の特別展「百樣玲瓏――●地亞與女性(Cartier and Women)」が4月14日、香港故宮文化博物館(West Kowloon Cultural District, 8 Museum Drive, Kowloon)の「ギャラリー8」で始まった。香港故宮博物院が企画・監修し、カルティエ支援の下、カルティエコレクションや個人コレクションから提供された作品を展示する。

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 カルティエの歴史における女性たちの役割や影響に焦点を当て、19世紀から現代までのカルティエのジュエリー、時計、アーカイブ記録など約300点を展示。カルティエと歴史上、そして現代において影響力のある多くの女性たちとの深いつながりを反映した物語を通して、女性とジュエリーの絆を探求を目指すという。特に中国美術がデザイン、スタイル、装飾モチーフ、技術、素材においてカルティエにどのようなインスピレーションを与えたか、中国の美学が女性のライフスタイルや世界のファッション全般にどのような影響を与えたかに焦点を当てた。例えば、1928年製の中国式バニティーケースは、ルイ・カルティエ(1895-1952)夫妻のコレクションから康熙帝時代の磁器皿を紹介するもの。陰陽のシンボルをあしらったカルティエ初のペンダントは1919年に制作され、このモチーフは中国で古くから伝わる哲学と宗教である道教からインスピレーションを得ている影響を知ることができる。

 4つのテーマ別セクションで構成する同展。最初のセクション「王室と貴族の女性たち:エレガンスとプレステージ」では、19世紀のカルティエの初期の歴史において、王室やエリートの女性たちが果たした重要な役割をたたえ、ティアラやペンダント、ネックレスなどを展示する。第2章は「新しい女性たち:伝統との決別」では、女性の解放を反映したジュエリーデザインの進歩について考察する。第3章「好奇心旺盛な女性たち:異文化からのインスピレーション」では、中国をはじめとする世界各地の芸術が、カルティエの女性向け作品を盛り上げ、世界共通の斬新さを生み出した様子を感じ取ることができるようにした。最後の第4章は「影響力のある女性たち」とし、カルティエのジュエリーと近現代の女性のアイコンとの関係を探る内容に仕上げた。モナコ公妃グレース・ケリー、ハリウッド女優のエリザベス・テイラー、実業家のパンジー・ホーなど、重要で有名な女性たちのコレクションからの作品を中心に紹介する。

 1887年~1976年に生きたJeanne Toussaint(ジャンヌ・トゥーサン)のストーリーは、今回焦点を当てたテーマのハイライトの一つ。20世紀初頭の男性社会における先駆者であり、モダンジュエリーの革命児でもあったトゥーサンは1933年、ルイ・カルティエ(カルティエの3代目当主)からカルティエ初の女性クリエーティブ・ディレクターに任命された。1949年にトゥーサンがデザインし、ウィンザー公爵夫人が手に入れたパンテール・ブローチは、女性にとってのジュエリーの意味を再定義するほどの衝撃だったという。大胆さ、独立、権力の象徴として生まれた「パンテール」は、それ以来、カルティエを代表するモチーフとなった。トゥーサンは、ジュエリーデザインを通じて女性の権限に大きな力を発揮しただけでなく、「女性らしさ」「自由奔放さ」「自立心」を特徴とする新しい自由な姿勢を体現した。彼女の作品を通じて、他の女性たちがジュエリーを「外見的な美しさを引き立てるだけでなく、個性を表現するためのもの」と認識するようになった。

 開館時間は10時~18時(金曜・土曜・祝日は20時まで)。入場料は、ギャラリー1~7に入場可能な一般入場チケット=大人50香港ドル、ギャラリー8・9にも入場可能な特別展チケット=同120香港ドル。8月14日まで。

 ●=上かんむりに下

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