食べる

日本の学校を再現 香港・鴻圖道「日作食堂Hibi Cafe」がデザートを提供開始

日本の廃校から机や椅子などを調達し、香港でレストランに

日本の廃校から机や椅子などを調達し、香港でレストランに

  • 25

  •  

 香港の觀塘(クントン)駅からほど近い鴻圖道にオープンした「日作食堂Hibi Cafe」(G/F, Lucky Factory, 63-65 Hung To Road, Kwun Tong)が8月11日、新しいデザートの提供を始めた。

新たに提供が始まった抹茶パフェとプリン

[広告]

 5月21日にオープンした同店。同エリアはもともと企業も多く、ランチ難民が出るほど人の行き来が多い。レストランも多数あるが、そのほとんどが香港式の大衆食堂「茶餐廳」で、テーブルの距離は肘がぶつかるほど密集し、食器がぶつかり、大声が響き渡っているのが日常。そんな日常の香港の風景と対照的に「ゆったりと寛げる空間」を用意した。

 路面店の白いのれんをくぐり中に入ると、目に飛び込んでくるのは日本の学校で使われていた椅子や机。映画のセットのような日本そのままの世界感を約2000スクエアフィートの店内に再現し、95席を用意した。

 オーナーのフィリップラム(Philip Lam)さんのパートナーはもともと、巧明街など香港で日本家具の販売を営んできた。今年に入って既に3回日本を訪れたというフィリップさんは、日本を自ら練り歩き、気に入ったものがあれば購入して福岡の倉庫に預ける。そうしたスタイルで日本の良い家具を集めてきたという。そうした中、福岡にある学校が廃校になったという話を聞き、そこの教室にあったものを購入し、引き取った。

 店内には日本からそのまま持ってきたという棚の中には、理科の実験などで使ったと思われる「電熱器」「電気抵抗比較器」「二重コイル」などのシールが貼られたままで、その中に、これまで集めてきた昭和世代のアイテム、木製の蛇腹写真機やタイプライターなどを並べる。

 学校を感じられるのは黒板やアコーディオン、8段の跳び箱など。個室につながる扉も日本のすりガラスの引き戸などを付けた。机は日本の教室机を別の板を貼るなどしてアレンジもしている。もともと「日本の家具は木で作られているものが多く、経年変化があっても長く使うことができる」ところが気に入り、香港で日本家具の販売を手がけてきたことが、同店オープンにつながった。

 「レストランビジネスは初めてで、最初はどうやったらいいかは分からなかったが、香港人が求めているものは分かる」とフィリップさんは開業の経緯を語る。

 終日営業する同店で提供するメニューは定食や丼が中心。定食メニューは全部で9種類あり、ご飯、おかずに加え、小鉢や漬物、みそ汁などもセットにする。トビッコをのせたサケチャーハン「香葱大蝦蟹?三文魚炒飯」(148香港ドル)や西京焼き「日式西京焼比目魚定食」(168香港ドル)などが人気だという。海鮮丼も4種類あり、中トロ、ハマチ、赤エビ、ホタテ、ネギトロ、トビッコをのせた「日作極上丼」(208香港ドル)をオーダーする客が多いという。

 今回メニューに加えたのは、プリン「自家製焦糖鶏蛋布丁」(58香港ドル)とパフェ「北海道十勝紅豆白玉特濃乳芭菲」(68香港ドル)で、プリンはガラスの容器に入れ、サクランボをのせ、クリームで仕上げる。パフェはソフトクリームに抹茶わらび餅を添える。香港人にも最近人気のある「昭和感」をちりばめる。

 今後の展開については、「この場所をしっかりやること。レストラン業をやってみて学ぶことは、チームを信頼し、休憩がないマラソンみたいなもの。メンテナンスしていくことも非常に大切」と、しっかり腰を据えレストランビジネスも手がけていくという。

 営業時間は11時~22時。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース