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香港のすし店「三笠屋」、銅鑼湾で再出発 「楽しい店」目指す

同店の大将・本山太一朗さん

同店の大将・本山太一朗さん

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 香港・銅鑼湾に9月3日、すし店「三笠屋」(17/F, The L. Square, 459-461 Lockhart Road Causeway Bay、TEL 2804-2004)がソフトオープンした。同店と同じ名前で尖沙咀で展開してきた「三笠屋」の名前を再び掲げての再出発となる。三笠屋はかつて5年、尖沙咀で「コスパのいいすし屋」として香港在住の日本人も多く利用する店だった。

北九州市にある本山さんの実家の「三笠屋」

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 店主・本山太一朗さんの実家は北九州市若松区の海鮮をメインにした食事処「三笠屋」。北九州市北端の響灘に面し、脇田漁港からの新鮮な魚介類をメインに扱う。もともと本山さんの祖母が立ち上げた店を現在は本山さんの両親が継いで店を守っている。

 本山さんは福岡で生まれ育ち、福岡の調理専門学校卒業後、大阪で修業するなどして実家の店に戻った。その後、当時の学校時代のつながりなどから香港行きの話があり、2006年、香港に移り住んだという。もともと尖沙咀にあった「寿司とく」で働いていた本山さんは2015年、「三笠屋」に看板を変え、2020年までは大将として包丁を握ってきた。

 「食で世界を変えたいなんてことは僕にはピンとこない。それよりも親孝行が一番にある。そして、みんなに会える店でありたい」と、同店で改めて「三笠屋」を掲げた理由を明かす。すしのおまかせ店でありながらも「銅鑼湾で880香港ドル」という破格の価格に設定。一般的に「おまかせ」は2,000香港ドル以上の店も多く、三笠屋の前の店も2,000香港ドル以上で、「なかなか気軽には会いに来てもらえなかった」と振り返る。

 店内は8席のカウンターと10席のテーブル席があるが、基本的にはカウンターを使い、おまかせの予約を取るのはカウンターのみ。「カウンターで楽しんだ後の人がテーブル席に移動してその続きを楽しんだり、少し早く来れる人がテーブルで一杯楽しみながら、友人を待つような設定として使いたいため」という。「ここで過ごす時間を特別な大切な時間にしてほしい」とも。

 すしは基本的に故郷の九州の魚を多く扱う。ヒラマサやスマガツオ、マダイにカンパチなど、白身の魚も多く、光り物も多く扱う。メニューは、月曜~木曜は「すしのおまかせ」とし、12貫程度で構成。ランチは500香港ドル~、ディナーは18時~と20時~の2回転で880香港ドル。金曜・土曜は前菜で始まり、刺し身、握りとコースを設定し、1,800香港ドルの「おまかせ」一本で展開する。日本酒なども、本山さんが好きな純米酒や山廃などを中心に用意した。

 「子どものころから実家の周辺は『何もないな』と思って育った」と話す本山さん。「でも香港に来て、自然の豊かさ、水のおいしさ、何て豊かな場所だったんだろうと43歳になった今、香港にいるからこそ感じることができるようになった」という。「すしという見せ方は実家の三笠屋と違っても、九州地元の魚を使うことにつながりも見出し、ゆくゆくは福岡と香港を行き来できるような体制が取れるように頑張りたい。それが僕ができる親孝行かも」と意気込む。

 営業時間は、ランチ=12時~15時、ディナー=18時~23時。

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