関西風すき焼きを提供する「すき焼き 中川」が4月18日、銅鑼湾のダイニングビル「CUBUS」(3/F, Shop B, CUBUS, 1 Hoi Ping Road, Causeway Bay, TEL 5394-3688)にオープンした。
店舗面積は420平方フィートで、15席のこぢんまりとした空間。「すし店のような」ヒノキのL字カウンターを備え、客の目の前でシェフの様子を見ることができる。
秋田県出身の板垣和幸料理長はオークラ東京を振り出しに、その後、オランダのオークラホテルに移り、2004年に日本へ帰国。25年以上にわたる日本料理の経験を携えて香港にたどり着き、「すき焼き中川」の料理長に就任した。
すき焼きは、「明治時代、東京の牛鍋屋『中川』が牛肉、ネギ、豆腐、刻みコンニャクを鍋に入れ、自家製のタレで煮たのが始まり」という説もあることから、東京における草分けといわれる店名にちなんだ名前を付けた。関西風の調理法で、すき焼きを現代風にアレンジして提供することを目標にしているという。
提供する和牛は、松阪牛、おおいた和牛のほか、北海道産の褐毛和種 (あか牛)などで、すき焼きに欠かせない春菊は新潟産のものを使い、皮が薄くジューシーな岡山の「桃太郎トマト」など、日本から空輸した旬の野菜を添え肉と合わせる。和牛以外は、北海道産ブランド豚「ゆめの大地」、フランス産鴨胸肉、ニュージーランド産ラム肉なども用意する。
香港でも人気の高い「松阪牛」は「松阪牛証明書」の発行もあり、厳格な個体識別が行われている。和牛としては最高ランクのBMS12等級に達し、「均一で繊細で、強い風味を持つ」とされる。一般的な和牛の脂肪が約26度で溶けるのに対し、松阪牛は融点が低く約17度で溶けるため、「とろけるような食感が楽しめる」という。
「おおいた和牛」も、飼料に米と酒かすを使い、数百年の実績を受け継いでいる。肉質等級4級以上の厳しい条件をクリアしたものだけが「おおいた和牛」と定義される。「北海道褐毛和牛」は、北海道中西部の神内ファームで肥育され、放牧飼育による脂肪の少ない赤身肉に仕上がっている。
卵は兵庫県産の「日本一こだわり卵」を採用し、すき焼きの肉の味を引き立てるために、2種類の方法で提供する。白身がうっすらと白くなる程度に軽く蒸したものと、白身を泡立てたクリーミーな白身の泡に卵黄を落としたものを両方楽しんでもらえるようにした。
3種類のランチメニューと4種類のディナーすき焼きメニューを用意し、和牛を使ったランチメニューは480香港ドル(5コース)と1,080香港ドル(7コース)、豚肉は(5コース、280香港ドル)に設定した。ディナーは780香港ドル(5コース)、1,080香港ドル(8コース)、1,380香港ドル(9コース)を用意する。通常の和牛すき焼きメニューは全て「A5大分和牛」と「A5北海道黒毛和牛」で提供し、和牛を「松阪牛」にアップグレードする場合は1スライス当たり150香港ドル、または「松阪牛」のスライスを250香港ドルで追加できる。
前菜、刺し身、茶わん蒸しは季節によって変わり、初夏の前菜には「北海道産エゾアワビ」「ホタルイカ」などが登場する。 刺し身には、ユズ岩塩を添えた「イカの薄造り」「中トロ」「昆布〆金目鯛(きんめだい)の炙(あぶ)り」のほか、「和風茶わん蒸し」には桜の塩漬けや松葉ガニなど、旬を意識した内容にしている。
営業時間は、ランチ=12時~14時30分、ディナー=18時~23時。