香港・銅鑼湾のヘンリーハウスに7月6日、日本料理店「天勝」(2/F., Henry House, 42 Yun Ping Road, Causeway Bay, Hong Kong、TEL 2807-3500)がグランドオープンした。
個室の様子。壁の書は「なお膳」の佐藤直行料理長からのプレゼント
同店を切り盛りする伊藤勝浩さんは北海道出身。道内のホテル日航で働き、1991年にホテル日航香港(現ニューワールドミレニアム香港ホテル)の日本料理シェフとして来港した。その後は料理長として腕を振るっていたが、2001年のアメリカ同時多発テロ事件発生以降、観光客が激減したのをきっかけにホテルを離れ、2003年に自身の店「天勝」を開いた。
店は順調だったが、ビルのオーナーが変わったことなどから惜しまれつつも撤退を余儀なくされ、2013年には場所とスタイルを変えて「8日」をオープン。ヘッドシェフとして活躍したが、自分が望むスタイルの店をもう一度作りたいという思いから今回、「天勝」を再オープンさせた。
席数はカウンター8席、個室8席を含む28席。店内は木目調をベースとしたシンプルなデザインで、しっかりと和食を提供する環境を整えながらもカジュアルな印象で仕上げた。
メニューは、お造りやすしなどの海鮮もの、いか塩辛や枝豆などの一品料理、焼きもの、肉じゃがをはじめとした煮物料理など、100種類以上の定番のほか、店内の黒板に書き出す季節ごとのお薦め料理も用意する。今の時期は、実入りがよく大粒の「生かき」(1個80香港ドル)、オーダーを受けてからかば焼きにする夏季限定の「うなぎのかば焼き」(350香港ドル)などの人気が高いという。魚介類はほとんどを日本から仕入れている。
うどんやそばのだしは、かつおぶしではなく「さばぶし」とウルメイワシを使った「うるめぶし」で取る。「この手法はホテル日航時代からのこだわり。同店オリジナルの味を楽しんでもらいたい」と伊藤さん。「つくね(生卵付き)」(38香港ドル)も人気が高いといい、鶏のミンチに山芋などを加え、厨房(ちゅうぼう)で手作りしたものを提供する。
ランチタイムは定食と丼ぶりを中心に、「天とじ丼」(150香港ドル)、「ちらしずし」(180香港ドル)、「黒豚しょうが焼き定食」(150香港ドル)など22種類をそろえる。
今後について伊藤さんは「まるで日本にいるようだと感じてもらえるお店にしたい。気軽にふらっと入れる場所、皆さんの憩いの場的な存在になれたら」と話す。
営業時間はランチ=12時~14時30分、ディナー=18時~23時。