アメリカの映像製作会社「ピクサー・アニメーション・スタジオ」のアニメ製作30周年を記念した展示会「彼思動畫30年:家+友・加油!(Pixar 30 Years of Animation: Hong Kong Celebration of Friendship and Family)」が11月18日、香港文化博物館(Hong Kong Heritage Museum=1 Man Lam Road, Sha Tin, Hong Kong TEL 2180 8188)で始まった。
イラストなども数多く紹介 Joy Albert Lozano Inside Out 2015 Marker and grease pencil on paper ©Disney/Pixar
ピクサーはルーカスフィルムのコンピューターアニメーション部門が始まりで、アップル・コンピューターを退社したスティーブ・ジョブズが1986年に1,000万米ドルで買収。その後、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズの映画を手掛けるようになり、最終的には2006年にピクサーはディズニーの完全子会社となった。
香港文化博物館では2011年にもピクサーをテーマにした特別展示を行ったが、大きな反響があったこともあり、アニメ製作30年と今年が香港返還20周年の両方を記念して展示会を開くことになったという。
ピクサー映画の人気の理由を感じることができる企画展として、テーマは「友情と親情(Friendship and Family)」。スケッチ、ペインティング、絵コンテ、彫刻などピクサーのスタッフによって作られたものを多数展示し、同社がどのような過程を経ながらアニメーションを作っていくのかを垣間見ることができる。
さらにより深く理解してもらうため、ピクサーで働いている人たちへのインタビュー動画を上映。実際に作品を作る時の、技術的なこと、創造的なこと、ストーリー展開のアイデアなど、作品を携わっている人の声を直接知ることのできる非常に珍しいシーンを披露する。
展示するのは、例えばデジタルペインティング処理をした「モンスターズ・ユニバーシティ」(2013年)の中で描かれている学校の校門。これはピクサーの元スタジオ・アートディレクターを務めていた堤大介さんが手掛けたものだ。同じく「モンスターズ・ユニバーシティ」の登場キャラクターであるマイク・ワゾウスキとジェームス・P・サリバンの絵や「トイ・ストーリー」(1995年)のウッディ・プライドとバズ・ライトイヤーの絵を展示する。いずれも、鉛筆でスケッチされた後、色付けされた原画のようなスタイルで展示。「アーロと少年」(2015年)に至っては、スポットがアーロンの鼻の部分に抱きついている白黒のスケッチだが、これは日本で公開する時に、ポスターなど宣伝に頻繁に使われたものの原型だという。
チケットは、大人=20ドル、学生・60歳以上の人・障がい者=10ドル。開館時間は、10時~18時(土曜・日曜は19時まで)。火曜休館。2018年3月5日まで。