国内で焼き肉店「Beefer’s」(ビーファーズ)を運営するカミチクホールディングス(鹿児島県鹿児島市)は2月27日、尖沙咀(Tsim Sha Tsui)に海外初店舗(2/F., The Otto Hotel, 8 Cameron Road, Tsim Sha Tsui, Kowloon, Hong Kong TEL 2557 6286)をオープンした。
香港が海外初進出となったが、大手食品会社「四洲集団(Four Seas Group)」と手を組み、尖沙咀の駅前の建物に出店。ビーファーズが入るホテルの地階には零食物語(OKASHI LAND)、その入り口には揚げたての薩摩(さつま)揚げ店「玖子貴(きゅうじき)」などがテナントを構え、相乗効果を狙う。
カミチクは元々、牛を生産する農場だったが、「おいしいものを直接お客さまに届けたい、食べてほしい」という思いから飲食業にも進出したという経緯がある。現在は、飼料作りから、牛の飼育、商品の開発、店の運営、乳製品の製造まで一貫した経営を行っている。ほかにも国内では「薩摩 牛の蔵」「薩摩 丹田」「とんかつ一頭揚げ 亀かわ」など6つの業態を展開する。「焼き肉店を運営すると、野菜などを供給してもらえる農家と提携できるなどネットワークが広がり、鹿児島の酪農と農業全体が元気になることも考えて」と話すのは同ホールディングス海外戦略室の隈元翼さん。
店のコンセプトは「香港の中の小さな鹿児島」で、牛の絵を飾るだけではなく、店の入り口に食材を提供している生産者の顔写真を掲げている。壁を人工芝で緑化することで、牧場をイメージした。全体的には木をたくさん使ってぬくもりを感じさせ、カップルから家族連れまでゆっくりできる空間を演出するという。
一番のこだわりとして、「薩摩牛」「薩摩牛 4%の奇跡」「元米黒牛」などのブランド名を持つ手間暇かけて大切に育てた牛をメニューに並べる。「薩摩牛」は4等級以上の黒毛和牛で、「4%の奇跡」は薩摩牛の中でもA5のBMS10番以上を最低条件としている超プレミアムな肉質を持つ牛を指す。1万3000頭の中から500頭しか生まれないことから4%の名前が付けられている。
メニューは、「4%の奇跡大判肩ロース(268香港ドル)が店一番のお薦め。1枚100グラムの巨大な肉がドンと皿に載せられて運ばれてくる。この肩ロースは1頭で両肩20枚ずつ計40枚しか取れない貴重な肉。同じく「4%の奇跡極みロース」(238香港ドル)は、柔らかい食感はもちろん、適度な入り具合のサシが肉をマイルドな味に仕上げていることがはっきりと分かる一品。素材の良さを引き出すため、塩とワサビで食べるように勧めているこのメニューは、ワサビによって味にさっぱり感が出てくる。
「牛の蔵盛り」(4人用=728香港ドル、2人用=398香港ドル)はカルビ、ロース、今日のステーキ、焼きしゃぶなど6種類の肉の盛り合わせ。焼きしゃぶはさっと焼くだけだが、油が鉄板の下に落ちていくので普通のしゃぶしゃぶよりもあっさりしていて食べやすいという。ほかにも「上牛タン」(88香港ドル)、「上ハラミ」(78香港ドル)、「上ミノ」(48香港ドル)といった焼き肉の定番メニューもそろえる。
サイドメニューには鹿児島の郷土料理「手作りふわふわさつま揚げ」(48香港ドル)、「豚の角煮」(58香港ドル)など。
営業時間は、ランチ=11時30分~15時、ディナー=18時~翌1時(土曜・日曜は11時~翌1時)。