「第42回香港国際映画祭(HKIFF)」が3月19日から17日間にわたって開催される。オープニングは田中麗奈さんが主演する日本と台湾の合作映画「おもてなし」、クロージングは山田洋次監督の「妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII」で、共に日本映画が上映されることになった。
香港のこの時期は「香港影視娯楽博覧(Entertainment Expo)」と称した映画イベントが行われ、HKIFFはその一つ。HKIFFで上映される作品はメジャーからインディーズ、名監督から新人監督、名作、ドキュメンタリー、アニメーションなど多彩なラインアップを誇る。今年は世界50を超える国・地域から280の作品が11の会場で公開され、60万人が観賞すると主催者側は予想している。
オープニング映画の「おもてなし」は陳鈺杰(ジェイ・チャン)が監督で、主演は台湾出身の王柏傑(ワン・ポーチエ)さん。ヒロインを田中麗奈さんが務め、余貴美子さん、木村多江さんなどが脇を固める。夫が遺(のこ)した琵琶湖畔の旅館・明月館を守る母、美津子(余さん)と娘の梨花(田中さん)だが経営不振に陥る。再建のため旅館を買収した台湾人の息子ジャッキー(ワン)さんが送り込まれてくるが、スムーズに事が運ぶことはない。日本でも今年3月3日のひな祭りに公開されたばかりの作品だ。
クロージングは山田洋次監督のコメディー映画「家族はつらいよ」シリーズの第3弾の「妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII」。橋爪功さん、吉行和子さんらが演じる平田家の人びとを描いた作品で、妻夫木聡さん、蒼井優さんなどのシリーズメンバーが出演する。今回は「主婦への賛歌」がテーマで、妻の「へそくり」がなくなったことから家族に嵐が起こる。
1970年代から90年代初頭にかけて台湾映画と香港映画で活躍した女優の林青霞(ブリジット・リン)の特集も組まれる。「滾滾紅塵(Red Dust)」など彼女の有名作品14作品が上映されるほか、3月31日には林青霞についてのトークショーも無料で行う。
海外からはレイチェル・マクアダムスさんとレイチェル・ワイズさんのハリウッド女優2人がレズビアンを演じた映画「Disobedience」がアジア・プレミアとなる。敬虔(けいけん)やユダヤ教の家庭で育ったワイズが父の死で地元に戻った時に、いとこと結婚している親友(マクアダムス)と再会し…。レイチェル・ワイズはプロデューサーも兼務するほどの力の入れようだ。
料金は、以下の作品のみ特別料金となっている。「家在蘭若寺(The Deserted)」=180香港ドル、「?無工廠(The Nothing Factory at The Metroplex)」「盜火線(Heat)」「哥哥羅拔是個笨蛋(My Brother's Name is Robert and He is an Idiot)」=100香港ドル、「石棉村大訴訟(Sennan Asbestos Disaster)」「不羈(ふき)的美女(La Belle Noiseuse)」「悪魔的季節(Season of the Devil)」=90香港ドル。
通常の料金は、會議展覽中心(HKCEC)、文化中心(Cultural Centre)、香港理工大學賽馬會綜藝館(Jockey Club Auditorium, The Hong Kong Polytechnic University)、The Grand Cinema、星影匯(The Metroplex)、Festival Grand Cinema、康怡戲院(Grand Kornhill Cinema)、the skyの週末は85香港ドル。大会堂(City Hall)、科學館(Science Museum)、藝術中心(Arts Centre)の週末は75ドル。平日(会場問わず)=55香港ドル。ほとんどの映画が見放題になり、優先入場や特典などが付くVIPパス(5000香港ドル)もある。いくつか作品はすでに売り切れているものもあるが、チケットは各プレイガイドで販売中。4月5日まで。