重箱に入った牛丼を提供する「宗像牛肉屋」と京料理を中心とした「光仙 日本料理研究所」が3月23日、大角咀(Tai Kok Tsui)に(G/F., 52 Li Tak Street, Tai Kok Tsui, Kowloon, Hong Kong TEL 36898807)にグランドオープンした。両店は、ラーメン店の「豚王」、つけ麺の「隠家ラーメン工場」、海鮮丼「宗像屋」などを仕掛けてきた陳方藤(Meter Chan)さんが経営する。
のれんをくぐり抜けて現れるのが「宗像牛肉屋」。約600平方フィートに18のカウンター席のみで、カウンターは一本杉を使ったぜいたくなもの。雰囲気はいわゆる「牛丼を食べる雰囲気の店」ではなく、すし店という感じだ。
うな重といえば、重箱にうなぎが載せられているが、ここではそれを牛肉に変えて「牛重」のみを提供している。重箱を使うという日本食の文化と質の高い牛肉を組み合わせることで日本食についてより香港人に知ってもらいたいという思いから創作したという。
使っている牛肉は福岡県北部の宗像市で生産されている「むなかた牛」のみで、サシ入りではなく赤身を提供する。お薦めはEセット(268香港ドル)で、むなかた牛の外モモ肉80グラムとサーロイン80グラムの両方を一度に食べられる。スライスした焼きにんにくや長ネギなどの薬味、みそ汁、漬物が付く。薄くスライスされたサーロインは少し甘めのソースとマッチさせる。一方、外もも肉は柔らかいだけではなく、香ばしさが口の中に広がるように提供する。「添えられたワサビと一緒に食べるとさっぱり感が出る」という。ほかにも外もも肉160グラムのみが食べられるDセット(168香港ドル)、サーロイン160グラムのみのFセット(368香港ドル)がある。
光仙は、東京の南麻布にある京料理店「百味尊 光仙」香港の支店という扱いになる。これは陳さんが光仙の店主である仙場才也さんを数年かけて説得し、オープンにこぎ着けた。メニューは「昼の部」「夜の部」というコース料理だけで、3カ月に1回のペースで料理を総取り換えし、その時の季節を意識した新しいメニューを用意する。「光仙」の後に「日本料理研究所」と名前が付いているのは、仙場さんが新しい試みを通して日本食を追求していく考えから。現在は、「金ぷら」(卵黄を衣に多く使った天ぷら)を中心とした料理(昼260香港ドル、夜780香港ドル)を提供している。
光仙は、宗像牛肉屋の奥にあるスライドドアを開けると店が現れる。こちらは350平方フィートに12席のみで、盆栽を置く雰囲気にもこだわる。
営業時間は両店とも、ランチ=12時30分~15時、ディナー=18時~21時。火曜定休。光仙は要予約。