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GBA航空・香港航空、フェリー会社「CKS」と提携 香港空港のハブ機能強化

広東省3都市6地区から香港国際空港(HKIA)にフェリーで向かう乗客に対して出境税の免除する

広東省3都市6地区から香港国際空港(HKIA)にフェリーで向かう乗客に対して出境税の免除する

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 香港第3の航空会社「大湾区航空(Greater Bay Airlines=グレーターベイ航空/GBA)」が7月30日、香港、マカオ、広東省を中心にフェリーサービスを提供している「珠江客運(Chu Kong Passenger Transport/CKS)」との提携を発表した。広州市南沙など3都市6地区から香港国際空港(HKIA)にフェリーで向かい、その後、飛行場からGBAを使って海外に向かう乗客に対して出境税の免除するサービス「経港飛(GBA Air Link)」を始める。既に同サービスを2022年から実施している香港航空も8月2日より、サービス内容を強化すると発表した。

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 GBAの前身は深セン東海航空で、東海集団(East Pacific Group)という深センの不動産業などで成功し、グレーターベイ航空でも主席を務める黄楚標さんが2002年に創業した。2021年からはグレーターベイ航空として「粤港澳大湾区(Guangdong-Hong Kong-Macao Greater Bay Area)」という巨大経済圏の構築を掲げる香港政府と中国政府の肝いりで設立された航空会社となり、巨大経済圏である大湾区をより活性化させることが期待されている。

 同航空のサービス「経港飛」は、東莞市虎門、広州の南沙と琶洲、深セン市の福永と蛇口、中山市の3都市6地区のフェリーターミナルから出発する乗客は、まず、フェリーターミナル内で中国出国と飛行機の搭乗手続きを、その後、フェリーに乗船する。荷物の重さはGBAと同じ規定。フェリーがHKIAそばにある海天客運碼頭(SkyPier)に向けて出発し、フェリー到着後はHKIAに移動して、そのまま自分が乗る飛行機の搭乗口に向かう。同サービスを利用した乗客は出境税を支払う必要がないのが大きなメリットとなる。

 現在、3都市6地区の港からは、1日50便以上のフェリーが運航されている。HKIAはこの状況を踏まえ、中国国民に深センや広州の国際空港ではなくHKIAを使ってもらうことで、HKIAのハブ空港としての機能強化を狙った。

 香港のフルキャリアである香港航空は、実はGBAと似たようなサービスである「優悠通(Leisure Pass)」を既に2022年から提供していたが、経港飛の発表から4日後の8月2日、優悠通のサービスを強化すると発表した。香港航空の場合、GBAの3都市6地区のターミナルに加え、広州市蓮花山と港珠澳大橋(HZMB)の珠海側の税関を利用する搭乗客が対象。

 香港政府も中国政府も、香港と広東省経済の一体化を進めており、ビジネスマンを中心とした人の往来を活発化させ、経済発展を促進させようとしている。その実現にはシームレスなサービスを提供することが欠かせないことから、フェリーはCKS、飛行機はGBAと香港航空が担う形となった。 

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