中環のハーバーフロント沿いの特設会場で現在、アートフェア「アートセントラル」(Central Habourfront9, Lung Wo Rd, Central)が開催されている。
インスタレーション作品 「Captured Rhino」は中国出身の新鋭アーティストLi Huiさんが手がけたもの
長い間文化の砂漠と呼ばれるほどアートが重要視されてこなかった香港は、ここ数年、大規模な芸術祭やアートフェアなどが開催され、芸術の街として新たな息吹が芽生えてきている。湾仔コンベンションセンターで行われ、今年で3回目を迎える 「香港アートバーゼル」と会期を合わせての初開催となる。
16日まで4日間の日程で開催する「アートセントラル」は、過去2012年まで香港で行われた「アートHK」を回想させるもので、同じ発起人により開催されたことが特徴のひとつ。ディレクターのイブ・シャー・バンハート(Eve Share Banghart)さんは「私たちは、『サテライトフェアー(Satellite Fair)』というアート文化を香港に導入したいと思い、『アートセントラル』の開催を『アートバーゼル』と同じ期間に設定した。文字通り、それぞれのアートフェアが独立しているものではなく、衛星のように離れているけれどつながっているという形でさまざまなアートフェアを開催し、香港のアートシーンをより一層盛り上げていきたいと考えている」と話す。
世界21カ国の国と地域より75のギャラリーが参加する同フェアでは、世界中からキュレーターやコレクターが集結し、ここ数年の現代美術の傾向やトレンドを映し出す役割を担う一方、香港やアジアのアートを世界に披露しようと、アジアから出展したギャラリーが全体の半数以上を占める。香港からも19のギャラリーが参加しているという。
広さ1万スクエアフィートもある特設会場は、「Central」「Rise」の2つのセクションで構成されている。64のギャラリーから成る「Central」では、絵画や彫刻ドローイングやインスタレーション、写真作品などが展示され、11のギャラリーが出展する「Rise」では、過去5年間に発足した新鋭アーティストの作品が展示される。
同フェアの注目作品は、香港をはじめ、韓国やアメリカ、そして中国出身のアーティストが手掛けた5つの大型インスタレーション作品。中でも、横幅8メートルもある「Healing Blossom」は、韓国アーティストであるラン・ファン(Ran Hwang)さんが手がけたもので、ボタンやピン、ビーズを組み合わせて桜が咲き誇る姿を再現したオブジェだ。ほかにも高さ 6.5メートルで横幅13メートルもある「The Bridge」は、平和と戦争の意味を見る人の心に問いかける作品として注目されている。
開催は16日まで。