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香港「大公館」で60~70年代の伝統広東料理 70超のメニューを期間限定で

期間限定で提供される60~70年代に愛された懐かしの広東料理メニュー

期間限定で提供される60~70年代に愛された懐かしの広東料理メニュー

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 茘枝角(Lai Chi Kok)にある商業施設「D2 Place」の最上階にある「大公館(Greater China Club)」(Unit A, 10/F, D2 Place One, 9 Cheung Yee Street, Lai Chi Kok, Kowloon, TEL 2743 8055)内の広東料理店「萬慶軒(Man Hing)」が4月3日、手間暇かけて作る60~70年代の伝統的な広東料理メニューの提供を始めた。「A Taste of Guangdong Nostalgic Dining Experience」と題し、期間限定で提供する。

ゲストシェフを務める向忠健さんと向忠達さん兄弟は伝統広東料理のベテラン

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 「大公館」は同じくD2 Place内に入居する日本料理店「鵜舞」、スペイン料理店「Rustico」のほか、中環のラーメン店「CUBISM」などを手掛けているBird Kingdom Groupによる経営で2015年7月にオープンした。会員制クラブのイメージで、料理とアート、ワイン、シガーを楽しめる空間をコンセプトとしている。店内には広東料理「萬慶軒」のほか、地中海料理を提供し、ジャズのレコードを流したり週末にはライブ演奏を行ったりするラウンジ「Cadenza」もある。

 通常、「萬慶軒」でシェフを務めるのはマカオの「The Eight」をミシュラン3つ星に導いた経験を持つ陳偉庭さんだが、今回の限定メニューのキュレーションを担当したのはゲストシェフを務める向忠健さんと向忠達さん兄弟。2人は60代を迎え、広東料理人としての経験は合算すると90年以上となる。兄の向忠健さんは旧フラマホテル、グランドハイアット、東京のANAインターコンチネンタル、マカオのフォーシーズンズなどのホテルに勤め、現在は富豪の専属シェフを務めている。弟の向忠達さんは旧グレート・イーグル・ホテル(現ランガム香港)、ロイヤルガーデンの中華料理店でヘッドシェフを務めた経験を持ち、現在は西九龍の高級住宅「Imperial Cullinan」内の会員制「Club Vendome」で腕を振るう。1960年代より一流料理店で著名人や資産家に食事を提供してきた2人が今回、現代に蘇らせるのは、スターターに始まり、メイン、点心、デザートをカバーする70品以上。どの品も作るのに高度な技術と手間暇を要するため、時代とともにメニューから次第に消えてしまったものばかりだという。

 かつて多くの人が好んで食べたというスターター「腿茸戈渣」(158香港ドル)は金華ハム入り中華風卵豆腐を揚げたもの。「鳳城炸鮮●」(158香港ドル)は甘いスターターで、砂糖と食べるクリスピーなミルクプリン。スープはウズラの高い栄養価とツバメの巣の喘息を和らげるとされる効果の組み合わせで人気だったウズラとツバメの巣のスープ「燕窩鷓鴣羹」(188香港ドル/1人)や、冬瓜と貝柱、金華ハムのスープ「乾貝科甲燉冬瓜」(138香港ドル/1人)などを用意。メインではエビの金華ハムとタケノコ詰め(288香港ドル)、伝統的調理法のクリスピーチキン「手吊炸子鶏」(588香港ドル、数量限定)や豚の胃の最も柔らかい部分8切れ分をセレクトするため包丁さばきが試される「古法欖仁炒肚尖」(298香港ドル、同)などがメニューに並ぶ。点心メニューでは、チキン、シイタケ、ポークと黄身の塩漬け入り蒸しパン「懷舊鶏窩」(68香港ドル)や、中国セロリ入りエビの蒸しギョーザ「鮮蝦鳳冠餃」などで懐かしの味を提供する。

 Bird Kingdom Groupの丁冠徳(Eric Ting)CEOは「両シェフがもつ広東料理に関する膨大な知識によって生まれたこのビンテージメニューは香港の魅力的な黄金時代へのトリビュートだ」と懐かしのメニューの復活について話す。

 営業時間は12時~24時(金曜・土曜は翌1時まで)。ビンテージメニューは4月22日まで。

●=女へんに乃

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