今年1月に惜しまれながら、約30年の歴史に幕を閉じた居酒屋「一番」の跡に10月14日、鉄板焼き「虎鉄」(12/F., Macau Yat Yuen Centre, 55 Hennessy Road, Causeway Bay, Hong Kong TEL 2164 9968)がグランドオープンした。同店が入る澳門逸園中心は日本料理店が多く入るビルとして知られている。
同店を率いるのは梁志雄さんで、日本食の修業を始めたのが1983年。以後、35年以上の経験を持つ。これまで長年にわたり、香港人に人気の日本料理「和三味」や環球貿易広場(ICC)にある有名炉端焼き「田舎家」で腕を振るってきた。その後、広州にオープンした日本料理「富田菊」で広州市民の舌を楽しませ、再び香港に戻ってきた。香港人料理人による日本食の店が広がることが、日本食の本格的な普及や国際化につながると叫ばれる中、香港の日本食のすそ野を広げる役割を担う一人である。
店舗面積は1000平方メートルで、座席は40席。「一番」時代と同じように、入り口の右側に11席、左側は7席のカウンター席を新たに設け、テーブル席を22席設けた。壁は白色のタイルを使用して清潔感を出し、料理人が仕事をするカウンターの壁のみ黒のタイルを使いコントラストを演出した。窓の部分には和服を着た女性を描き、日本らしさを出すが、基本的にあまりモノを飾らないシンプルなスタイルに仕上げた。
料理は、シェフのおすすめコース(いずれも2人用)は「虎鉄晩餐」(10品、2,980香港ドル)、「廚師推介晩餐」(10品、2,480香港ドル)、「海鮮盛合套餐」(9品、1,980香港ドル)、「鮑魚二人套餐」(9品、1,980香港ドル)の4種類。ほかにも「虎鉄ディナーセット」(11品、2,680香港ドル)、「ロブスターセット」(10品、1,980香港ドル)、「海鮮盛り合わせ」(10品、1,980香港ドル)など多彩なコース料理を用意した。
「虎鉄晩餐」「廚師推介」「海鮮盛合」などで提供する「海膽松露蒸蛋」(単品=58香港ドル)は、半熟卵の殻を残しながら巧みに半分に割り、その中に北海道産のウニとトリュフ、さらに金箔をのせた一品となっている。「海鮮盛合」で食べられる「南極犬牙白鱈魚」(単品=238香港ドル)は、タラを鉄板の上で表と裏5分ずつ焼き、そのあとカバーをして蒸したもの。しょうゆ、みりんの味付けをした特製の玉ネギソースにつけて食べる。「法国鴨肝」は「廚師推介」で提供する(単品=128香港ドル)。じっくり焼き上げたフォアグラがスライスしたリンゴにのせられている。フォアグラを焼くときにスライスしたライムも一緒に添えるため、フォアグラをさっぱりとした味で楽しめる。
営業時間はランチ=12時~15時。ディナー=18時~23時。日曜定休