尖沙咀(Tsim Sha Tsui)にある香港最大のショッピングモール「海港城(Harbour City)」で10月11日~13日と18日~20日の2週にわたり、コーヒーと地ビールが楽しめるイベント「Brew in the City」が開催される。
お茶文化が基本だった香港では、ここ20年弱でコーヒーを楽しむ習慣も定着した。スターバックスやパシフィック・コーヒーなどの大手チェーン以外のコーヒーショップが数多く生まれ、それぞれがこだわりの味を提供している。加えてアルコールの関税が2008年に撤廃されワインブームが訪れ、かつ香港人の所得が上昇したことをきっかけにアルコールをたしなむ人が増加。それに引っ張られる形でビールを飲む人も増え、地ビールを生産する香港メーカーが少なからず登場している。イベントはこうした香港市民により深いところを知ってもらおうというコンセプトから実現した。
開催場所は施設内の2か所で、一つは海港城の海運大廈(Ocean Terminal)3階 のOTE303号舖-松藝館(Artisan De Truffe)そばとオーシャンターミナルにできた「海運觀點(Ocean Terminal Deck)」。特にデッキでは香港島の景色を眺めながら飲むことができる。
地元香港を中心に日本、台湾からのコーヒーショップとクラフトビールが合わせて約30店がブースを構える。コーヒーでは「Roast Work」「Summer Ice」「 Cupping Room」「Urban Coffee Roaster」など。喫茶店王国の名古屋に店を構える「TRUNK COFFEE」も来港する。同店オーナーの鈴木康夫さんはコーヒー先進国ともいわれるデンマークで日本人初のバリスタとなったという人物だ。
ビールでは「H.K. Lovecraft」「Heroes Beer Co.」「The Madhouse Taproom」などがビールを提供する。今回は、2週に分かれるが、メーカーによっては1週目のみ参加、2周目のみ参加のメーカーもある。
10月12日・13日は「香港愛樂壓比賽 (Hong Kong Aeropress Championship)」のコーヒー大会を開催。エアロプレスとはコーヒー粉とお湯を器具に入れて、空気で押し出してコーヒーを作る抽出器具のこと。これを使って水と指定されたコーヒー豆を使って8分以内に200ミリリットル以上のコーヒーを抽出し、誰が一番おいしいコーヒーを作るのかを競う。70人が参戦する予定で勝者は、今年ロンドンで開催される世界大会(約70カ国・地域の代表が腕を競う)に出場することができる。
今回の出店を前に、アルコールメーカー「H.K. Lovecraft」と香港のコーヒーブランド「Roastwork」が協力して「??拉格淡?酒(Brew in the City Coffee Lager)」というビールを開発した。このコーヒー風味のビールとコーヒー豆を特製エコバッグに入れて数量限定で販売する(188香港ドル)。ほかにも、コーヒーのアートラテを作ったり、クラフトビールの味見とビール文化を学んだりするワークショップも行う。
営業時間は14時~19時(金曜)、11時~19時(土曜・日曜)。