原宿や恵比寿、六本木などの繁華街で、かんきつ系の風味豊かなラーメンが人気の「AFURI」が1月15日、香港・尖沙咀のショッピングモール「THE ONE」(L2,100 Nathan Rd, Tsim Sha Tsui)にグランドオープンした。香港はフランチャイズで展開し、ファッション関係で知られるI.T社が運営する。
モール内はフロアの天井も高いため明るい印象に仕上げた店内は、ガラス張りのオープンキッチンに、テーブル席やカウンターなど52席を配置する。
「AFURI」は直営とフランチャイズを合わせて、アメリカを中心にポルトガル、シンガポール、カナダなどに展開しているが、香港店はメニューに関しては日本よりも多い品数でアメリカを踏襲し、アルコールなども各種用意するなど幅広いラインアップで展開する。
同社のオリジナルは鶏、かつお、昆布などを使って炊き出した清湯スープ。豚骨ベースのものと違い、100度の沸点にならない段階で天然素材を段階的に加え、クリアスープから分離した脂は一度すくって最後に香り付けに使うなど、「より繊細な作り方で完成させる」という。最後に高知の契約農家から仕入れるユズで同店のオリジナルの味に仕上げる「柚子鹽味拉麺」(98香港ドル)、「柚子醤油拉麺」(同98香港ドル)などは日本と同じメニュー、同じ味を目指し主軸に据える。
しかし香港市場の日本のラーメンは豚骨ベースのものが多いことから、「豚骨濃湯担担麺」(98香港ドル)や「豚骨濃湯拉麺」(108香港ドル)なども用意した。「元々、豚骨は分かりやすいので海外に先に広まりやすかった。ただそのラーメン文化が広まると次には同店のようなクリアなスープにニーズが集まると思う」と同社アメリカやポルトガルの現地法人CEOを務める石田太一さんは話す。
ギョーザは焼いたものと揚げたものの両方を用意し、ほかにもふわふわの白いバンズに甘辛いタレに角煮を包んだ「角煮豚肉包」(45香港ドル)やソフトシェルクラブを挟んだ「炸軟殻蟹包」(58香港ドル)もメニューに並べる。丼物も充実させ、角煮豚肉丼、唐揚炸鶏丼(以上72香港ドル)などを提供する。
ドリンクもバーのように力を入れて展開し、ウイスキー、ソーダとゆずジュースを合わせた「AFURI Whisky highball」(79香港ドル)やスナップエンドウ、レモン、卵の白身、ミントなどで作るウオツカベースの「edomame」など、個性あるカクテルなども提供する。山形の「出羽桜」、福井の「一本義」、新潟の「菊水」など吟醸酒や、熊本の「しろ」や鹿児島の「白波」「神の河」などの焼酎、ウイスキー類は3種ずつを小さなグラスでテイスティングできる飲み方も提案する。
「元々山から神奈川県丹沢山系にそびえる、大山(通称・阿夫利山)から名前をもらっているように、自然により高みを目指していくのが当社のポリシー」と話し、「100店舗より100年続く会社を目指して積み重ねをしていきたい」と石田さんは話す。今後も段階的に現地に合ったメニューなども開発していく予定だという。
営業時間は11時30分~22時30分。