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香港政府、新政策発表 5人超の集まり禁止、レストランにはより厳しい制限

レストランなどに新たな対策を発表した香港政府

レストランなどに新たな対策を発表した香港政府

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 林鄭月娥(Carry Lam)行政長官ら政府高官は3月27日に記者会見を行い、29日午前零時から14日間、公共の場で5人以上集まることなどを禁止する新しい政策を発表した。3月14日~27日の2週間で「感染者数が135人から518人と一気に3.8倍に増えており、状況は深刻」とさらなる厳しい措置をとった理由を説明した。閣議に当たる行政会議において599章の「預防及控制疾病條例」(Cap. 599 Prevention and Control of Disease Ordinance)に新たな規則を追加することが決まった。

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 まず3月29日午前零時から14日間、公共の場で5人以上集まることなどを禁止した。ただし、公共交通機関、職場、政府、医療機関、立法会、区議会、葬儀、20人を超えない婚礼、健康衛生講座など12項目については除外されるが、カラオケや麻雀は含まれない。これらに違反した場合は必ず2,000香港ドルの罰金が課せられるほか、状況によっては最高で2万5,000香港ドルと禁固6カ月の刑となる。

 最近の感染者増加の大きな要因となったのが蘭桂坊(Lan Kwai Fong)での感染。そのため、レストラン、カフェ、バーなどの飲食店を営業するに当たり、新たに6つの制限を加える措置を取った。(1)席の使用は総座席数の50%まで、(2)テーブルの間は最低1.5メートル空ける、(3)1テーブル当たり最大4人まで、(4)客は食事中以外はマスクの着用義務付け、(5)店は客の体温検査を行わなければならない、(6)店は消毒液を提供する。

 香港は飲食業界が香港経済において大きなウエートを占めるため、政府としては世界の各都市で行われているレストランの営業停止までには踏み込みたくなかった。一方で人数が集まり長期間同じ場所に滞在されるのは感染者拡大のリスクがありアルコールはそれを助長する危険があった。香港社会全体としては、日本と比べてもアルコール飲む量は少ない。そこでアルコールのみ販売を禁止する案を提示し、少しでも客の濃厚接触の機会を減らすことである種の妥協を図ったが、一部の政治家や飲食団体からはアルコールの販売は利益率が高いためそれを禁止すると経営が一気に悪化することから反対の声が大きく、一般市民からも疑問の声が上がっていた。キャリー・ラム行政長官は専門家の意見や業界団体の話し合いを行った結果、今回の形になった。違反した店舗や施設の管理者や責任者は、最高5万香港ドルの罰金と禁固6カ月の刑が科される。

 一方で、ゲームセンター、サウナ、ジム、ビリヤード、ボウリング、アイススケートリンク、劇場、映画館、パーティールームなどを閉鎖させることにした。これら2つは、3月28日18時から14日間、実施される。

 ウイルス検査の対象を拡大しことも決めた。これまでは香港国際空港からの入境者に対してランダムに唾液のサンプルを採取していたが、全ての人を対象に検査を実施することになった。方法は入境後に専用バスに乗り亜洲国際博覽館(Asia World Expo)に設けられた検査センターに直行し、そこで検査を行う。終了後に自宅かホテルなどで14日の隔離を行う。または、検疫センターには行かずに自宅やホテルなどの隔離場所で自ら唾液のサンプルを取り、検体を友人や家族などに指定のクリニックに届けてもらう方法もある。

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