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香港政府、希望者全員に無償検査実施へ 武漢のような大型臨時病院建設計画も

すでに8月1日から運用を開始している亜洲国際博覧館(AWE)に設置された臨時病院

すでに8月1日から運用を開始している亜洲国際博覧館(AWE)に設置された臨時病院

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 香港政府は8月10日、店内での夜間の飲食禁止、公共の場での集まりは最大2人まで、マスク着行義務などの各種措置について8月18日まで延長することを明らかにした。希望者全員に新形肺炎に感染しているかどうかの検査を無料で実施することも決めた。

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 11日現在、累計感染者数が4182人、死亡者は58人、回復者3052人。11日の新規感染者は33人。香港では7月に入り感染拡大が増加傾向となり、7月22日~8月2日の12日間連続で新規感染者が100人台を記録し、レストランでの飲食は終日禁止にするという踏み込んだ政策を行うほどだった。市民の不満の声を受けて2日で撤回はしたものの、香港政府は8月3日、5日~11日の1週間、それまで実施していた各種政策を延長した。幸いにも延長を決めた3日からは2桁台に落ち着いてきたものの、依然として約4割が感染経路が不明で、かつ死亡率が高まっていることから12日~18日、1週間さらに再延長することを決めた。

 これまで通り、客は朝5時から17時59分までは店内での飲食は可能だ。18時~翌4時59分は店内の飲食は認めないが、同時間帯のテークアウトは認められる。座席は1卓当たり最大2人までで、テーブル間の距離を1.5メートル離す、または仕切り版を設置する必要がある。収容人数は総座席数の50%まで、入店時の検温、消毒、食事をする時以外のマスク着用となる。飲食店内でのパフォーマンスやダンス、カラオケなどは禁止される。

 ゲームセンター、サウナ、フィットネスセンター、エステ、バー、パブ、ナイトクラブ、カラオケ、マージャン、体育施設とスイミングプールなどが一時的に営業を停止する措置は継続する。公共の場での集まりを制限する「限聚令」は最大2人まで、公共の屋外や室内空間、公共交通機関乗車時などではマスクは着用しなければならない。

 今回の再延長に先立つ7日、林鄭月娥(Carrie Lam)行政長官は緊急の記者会見を行い、希望者全員が新形コロナウイルスに感染しているかどうかの検査を無料で行うことを明らかにした。早ければ2週間以内に行いたいとしている。

 具体的な方法は決まってはいないが、検査キットを何らかの方法で配布する。現在、香港外から戻ってきた人が14日間の強制隔離をしている間、2度目の検体を提出しなければならないが、その仕組みをある程度参考にし、指定されている検体提出場所に持ち込む方法などが考えられている。香港政府は500万人が検査を受けるのではないかと予測している。

 唾液を使った検査になる公算が高く、DNAデータを中国本土に送るのではないかという懸念が高まっていることについて、林鄭行政長官は「検体はバーコードで管理されるので、検査官は誰の検体か名前を知ることができない。検体は最短の時間で破棄し、別の場所に持ち込むことはない。プライバシーを保護することを保証する」と否定した。

 亜洲国際博覧館(AWE)には臨時病院が建設され、軽症者を受け入れる形で運用が始まっているが、AWEの第2期用の土地に武漢に造られたような臨時病院を建設する予定だ。金域検験(香港)(KingMed Diagnostics (Hong Kong))、凱普醫検、華大基因(BGI)という中国資本の協力を得て、西営盤(Sai Ying Pun)にある中山紀念公園体育館(Sun Yat Sen Memorial Park Sports Centre)内に仮設の実験室を作り、検査能力の増強を図るとした。

 公務員の在宅勤務は8月16日まで、全ての学校は無期限の登校停止となり、新学期が始まっても制限が緩和されない限りオンライン学習に切り替わる。郵便局は月曜・水曜・金曜のみ営業する。香港城市大学(City University of Hong Kong)はペットが感染しているかどうかを検査するサービスを始め、漁農自然護理署(AFCD)は沙田(Shatin)に動物向けの検疫施設を開設するなど、香港全体で各種対策が行われている。

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