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香港政府、更に厳しい措置を発表 店内での飲食終日禁止、公衆での集まりは最大2人まで

マスクに加え、手袋などを着用する人も。29日から公共の場で集まれる人数は2人までとなる。

マスクに加え、手袋などを着用する人も。29日から公共の場で集まれる人数は2人までとなる。

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 香港政府の張建宗(Matthew Cheung)政務長官、食物及衞生局の陳肇始(Sophia Chan)局長ら政府高官が7月27日、合同で記者会見を行い、新型コロナウイルスの感染拡大が収まる気配を見せないことから一段と厳しい対策を発表した。飲食店は持ち帰りを除き、終日、店内での飲食を禁止するほか、公衆での集まりは最大で2人とする。

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 27日現在、累計感染者数が2779人、死亡者は22人、回復者1486人。7月27日の新規感染者は過去最高となる145人で、同日の東京都の131人を上回った。張政務長官は「7月13日~26日の新規感染者は1164人で、そのうち1130人が香港での感染。492人は感染経路が不明」と高い割合で感染経路が追えないことに危機感を募らせる。一部のトラックドライバーなど検疫を免除されている人からの感染事例については、「野菜、肉類など香港だけでは賄えないものがたくさんある。毎日約7000人の運転手が深センと香港を行き来しているが、香港に基本的な物資を届けてもらうことも重要。もちろん、香港人の健康を犠牲にするという意味ではない。マスク、検温、報告書の提出など防疫への措置は取ってきた」と市民に理解を求めつつ、悩ましい現実を吐露した。

 政府は1200床の隔離用ベッドを確保しているが、ほぼすべてのベッドを利用されているなど状況がひっ迫していることから、中国政府の援助を受けて武漢で設置された緊急時用の野営病院を建設する方針を示した。

 今回発令されたのは、7月29日~8月4日の1週間。飲食については、レストランでは18時から翌朝4時59分まで客が店内で飲食をすることができなかったが、終日禁止となった。フードコートも閉鎖となる。ただし、テークアウトは認める。記者からはロックダウンなどと絡めて質問が出たが張政務長官は「ロックダウンは影響が大きいので、慎重に考える必要がある。香港の場合、食事を作るのに適していない居住環境があるため、生活に不便な面がある。だからこそ、香港には1万6000店の飲食店が林立し、それは香港の文化ともいえる。仮に夜を全面的に営業停止するとテークアウトも無くなり、生活が困難になる人がいる」と、飲食業は全面営業停止した方がいいという本音がありながら、簡単には実施できないことを間接的に語った。

 ゲームセンター、サウナ、フィットネスセンター、エステ、バー、パブ、ナイトクラブ、カラオケ、マージャンなどは既に一時営業停止となっていたが、それに体育施設とスイミングプールが加わった。公衆での集まりを禁止する「限聚令」は最大で集まれる人数は4人から2人に。マスク着用義務は、公共交通機関利用時のほか、公共の場での屋外と屋内となり、事実上、外出時はマスクを着用することが義務付けられる。

 張政務長官は「経営者には従業員に対して在宅での勤務をしてもらうよう要請する。市民には友人との不必要な飲食は一時的にストップしてほしい。この先、2~3週間が大きな鍵となる」と、日本の緊急事態宣言が出される時期に日本政府や各知事が発していたのとほぼ同じようなコメントをした。

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