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香港内の旅行ツアー30人を許可へ キャセイパシフィックは8500人解雇 、キャセイドラゴンは事実上消滅

キャセイパシフィック航空は大量解雇が決定した

キャセイパシフィック航空は大量解雇が決定した

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 香港政府は10月20日、新型コロナウイルス対策についての記者会見を行い、ライセンスを持つ旅行代理店は香港内のツアーについて上限30人までの催行を認めると発表した。経営難に陥っているキャセイパシフィック航空は8500人を解雇すると発表した。

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 22日現在、累計感染者数が5281人、死亡者は105人、回復者5019人、新規感染者は11人となっている。このところ香港の新規感染者は1桁~10人台を行ったり来たりしている状況が続いているが、依然として海外から入国後に感染が確認される輸入症例が多い。ヨーロッパが再び感染拡大が始まったため香港政府はロシアとフランスを10月26日からハイリスク地域に指定するとした。これにより、この2つの国に加え、バングラディシュ、エチオピア、インド、インドネシア、カザフスタン、ネパール、パキスタン、フィリピン、南アフリカ、イギリス、アメリカの合計13カ国をハイリスク地域に指定している。

 公衆での集まりを制限する「限聚令」については最大4人、公共の場や公共交通機関でのマスク着用義務は継続する。レストランは午前零時から4時59分まで店内での飲食不可(テークアウトは可能)、1卓当たり4人まで(バーは1卓当たり2人まで)、テーブルの距離を1.5メートル離すこと、検温、消毒、マスク着用、収容できる客数は総席数の50%というこれらの方策も継続される。期間は10月23日から29日まで。

 一方、3つの点で規制が緩和された。1つは結婚式の参加者の制限をこれまでの20人から50人に緩和する。2つ目は結婚式と同じように企業などの組織の運営に関する会議(株主総会なども含む)も同様に20人から50人に緩和された。ただし、結婚式、会議の両方共飲食の提供はできない。3つ目は今回の緩和の目玉で、ライセンスを持っている旅行代理店が香港内でのツアーをバスであれば30人または総座席数の50%、船であれば90人、または総座席数の50%を上限に認めるというものだ。食事以外のマスク着用、検温、座席の消毒、ツアーで歩く間もソーシャルディスタンスを保つなどといった基本的なことを義務付ける。感染リスクを減らすためEチケットとするほか、旅行者にはゴミ袋の携行を求める。

 これに合わせHKTBは10月20日より「賞●遊香港(Free Tour)」というプログラムを始めた。指定された飲食店や小売店で800ドルを消費すると先着1万人が香港内で行われるツアーに参加できるもの。

 シンガポールとのトラベルバブルが原則合意され、香港政府は日本を含め多くの国と交渉を行っている。香港経済界からは中国本土との経済交流を求める声も多く、観光再開という意味では中国本土、マカオ、台湾からの観光客が最初に開かれるというのが現実的で、ツアー解禁はその予行練習的なものにもなりそうだ。

 経営難にあえぐキャセイパシフィック航空は10月21日、キャセイグループの約4分の1に当たる8500人をリストラし、子会社のキャセイドラゴン航空は同日より運航をストップしたことを明らかにした。香港で5300人、海外で600人を解雇し、残りの2600人は採用の凍結などで対応する。キャセイドラゴンの路線はキャセイまたは傘下の香港エクスプレスに引き継ぐ予定とし、キャセイドラゴンは事実上消滅する可能性が高まった。

 キャセイは香港という特殊な土地柄「国内線」は存在せず、全てが国際線。コロナウイルスで世界各国が「鎖国」政策を置かれており厳しい経営環境にあった。9月10日には第2期の給与補助を申請しないと発表。補助を受ける前提条件は人員削減をしないことを前提としており、リストラが行われるのではないかとうわさされていたが、それが現実になった形だ。

 ●=にんべんに尓。

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