総事業費は448億香港ドルの「屯門至赤●角連接路(Tuen Mun-Chep Lap Kok Link)」が12月27日、開通する。香港政府が11月18日、発表した。これにより新界(New Territories)西部と香港国際空港とのアクセスが一気に改善する。
香港とマカオ、珠海を結ぶ港珠澳大橋(HZMB)の開発の一つとして組み込まれている同プロジェクトで、香港国際空港の東側に304億香港ドルをかけて作られた130ヘクタールの「港珠澳大橋香港口岸人口島(Hong Kong Boundary Crossing Facilities)」にHZMBの税関が建設されたが、屯門至赤●角連接路はここを起点・終点に北側と南側に路線が分かれる総延長9キロの路線となる。
今回は、北側に当たる新界西部の屯門(Tuen Mun)南部と人工島を結ぶ路線が開通する。南側は人口島と大嶼山(Lantau Island)の北部を東西に横断する北大嶼山公路(North Lautau Highway)の大?灣(Tai Ho Wan)付近を結ぶ1.6キロの橋で、こちらは2018年に開通している。
具体的には、屯門至赤●角連接路の北側は人口島と屯門南部にある第40区との間を結ぶもので、全長5.5キロのうち5キロは海底トンネル。最高速度は80キロで設計した。海底トンネルとしては香港最長となる。海域周辺に生息しているピンクドルフィンなど環境への悪影響を考慮してトンネルを建設した。
施工に当たり、トンネルボーリングマシンは直径14メートルのを使ったが、登り斜線は途中から片道2車線から3車線に増えるように設計したため一部には直径17.6メートルのマシンを採用。香港のトンネル工事の中でも最大規模の大きさを誇るマシンを使った。
利用料金はまだ決まっていないが、開通初日は無料となる。A33、A33X、E33、E33P、NA33などの空港バス路線のルートも変更になり、13.9~40香港ドルに設定されているバス料金も、12~28香港ドルに値下げする予定だ。特に香港国際空港を結ぶ「A」が付く路線は、ほぼ半額に設定されている。
これまで屯門市民が空港に向かうときは、青衣(Tsing Yi)北西部にある汀九橋(Ting Kau Bridge)などを走らなければならず、約30分を要していた。この路線の完成で約20分の短縮効果があり、所要時間はわずか10分と大幅に短縮される。元朗(Yuen Long)、天水圍(Tin Shui Wai)など新界西部に住む市民もこのトンネルを利用することが見込まれることから、多くの市民に利用されることが期待されている。
現在は新型コロナウイルスの影響を受けているが、この路線によりHZMBの利用価値が高まり、新形肺炎収束後はマカオと広東省西部との往来がより増えることが予想されている。
●=魚へんに たてがみ。