香港でトラムが走るジョンストン・ロードから垂直に走る世界各国の味を提供するも集まる船街に、備長炭の炭火で焼くコース料理を提供する「CHAKO」(Shop 13, 2/F, J Senses, 18 Ship Street, Wan Chai TEL 3590 2465)がオープンした。
店内はカウンター席とテーブル席合わせて24席を備える。外のバーエリアは44席あり、パーティーなどにも対応できる。客層は欧米系が3割ほどで、他は香港人が中心。
和歌山出身の鈴木猛史料理長は香港に来て15年近くになるが、元々は総領事公邸の料理人。香港の要人に料理を提供してきた鈴木料理長とオーナーが行きついたのは「炭」だったという。香港では元々、炭火を使った料理を提供する店が限られている。そうした中、同店は「焼き」が必要なほぼ全てのメニューに備長炭を使う。硬さを持つ仕上がりになっている炭は、たたくと金属音がするほどで、料理人が好む素材だという。
夜は「3種のおまかせコース」(398香港ドル、598香港ドル)のみを提供。枝豆、手羽先、バターコーン、炙(あぶ)りすし、焼き鳥、スープ、麺か焼きおにぎり、デザートなどがセットになったコース。「炙りずし」は香港人も多く住むバンクーバーではやっているもので、関西の押しずしにソースをかけて炙ったもの。香りや焼き目をつけるため、わざと少し焦がす細工を施している。サバ、エビ、サーモンなど3種を提供。スティック状の「ブロッコリーニ」も炭と相性が良い一品だという。
肉の串は宮崎や鹿児島のブランド鶏や牛を使い、部位によって使い分けるなど5~6種を提供。オリジナルのつくねは、牛肉、ラム肉、豚肉、野菜、魚介類などを使ったもの。牛タンにはガーリックを、豚バラ肉のシソの香りを一緒に、ハマチ、ホッケなどの海の幸も炭焼きでスモークする。
すき焼きは小さなボール状にしたご飯にさらっと炙ったA5の鹿児島野崎牛をのせ、卵をのせた一口スタイル。ほかにも締めには焼きおにぎりや鶏白湯のスープなども用意する。
各種アルコール類も取りそろえているが、真空状態にして輸送した明石の「来楽」の生酒を10キロのたるで提供するなどのプレゼンテーションにもこだわる。
ランチは炙りサーモンの押しずし(108香港ドル)などディナーメニューの一部に加え、豚カツ、かつ丼(各128香港ドル)、唐揚げ(108香港ドル)、鶏のもも焼き(128香港ドル)、ビーフステーキ丼(168香港ドル)など各種メニューを取りそろえる。
営業時間は12時~21時30分(ランチ=12時~14時30分、ディナーメニューは18時から提供)。現在は新型コロナ肺炎措置に準じて営業している。