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香港は生活費が最も高い都市に パリ、チューリッヒとならぶ

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 英経済誌エコノミストの調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)は11月18日、生活費についてのリポート「Worldwide Cost of Living 2020」を発表し、香港が1位になった。

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 このリポートは9月に世界の130都市にある138のグッズを対象に実施したもの。食料、飲料、日用品、家賃、交通費、光熱費、家政婦、レクリエーションなどを細かく調査して算出した。ニューヨークの生活費を100として、そこから各都市の生活費を計算している。

 前回3月の調査では新型コロナウイルスが大きく広がる前に分析や編集を終えており、感染拡大が長期化したことで、コロナウイルスの影響を含めたものを反映させるため調査を行った。

 トップ10を見ると、1位になったのは香港、パリ、チューリッヒの3都市が103を記録。香港は前回3月でもトップで今回も「定位置」となった。パリとチューリッヒの両都市は前回の5位から4つ順位を上げて1位になった。4位は前回トップだったシンガポールの102。5位はイスラエルの首都、テルアビブと大阪の101。大阪は前回のトップから、ここまで順位を下げた。7位はジュネーブ、ニューヨークの100。ジュネーブは前回より3つ順位を上げ、ニューヨークは3つ順位を下げた。9位はデンマークのコペンハーゲンとロサンゼルスの96だった。生活費が最も安かったのはダマスカスだった。

 全体で見ると、過去1年間で平均0.3ポイントしか上昇しなかったが、これまでランクの上位を占めてきたアジアの都市が総じてランキングを下げ、南北アメリカ大陸、アフリカ大陸、東欧の都市も前年と比較して数字が下がった。ただ、香港は別格で全体的に値段が高いことで1位となった。

 一方、西ヨーロッパは前年比で値段が高くなったが、これは、ユーロなどの通貨が上昇したことに関連して順位上がった。経済活動において大きな成長は望めないが、新型肺炎のような突発的な事象が発生した時に安定した経済力がものをいった。ただし、順位を最も上げたのがアメリカの経済制裁を受けているイランのテヘラン62で、前回から27ランク上げて79位に入った。

 カテゴリー別にみると、在宅勤務が広がったことで電子製品の価格が上昇した。パソコンの価格を見ると、1位は大阪で1,828米ドル、2位は1,714米ドルのテヘラン、3位はケニアのナイロビで1,662米ドルだった。大阪の2015年の価格は963米ドルとなっており、現在までの約15年で価格がほぼ倍になった。パンの1キロ価格を見てみると、ニューヨークが9.45米ドル、ロサンゼルスの7.04米ドル、パリの6.1だった。

  EIUでは2021年はコロナの影響もありこのトレンドが続き、2022年までにパンデミック以前のレベルに戻る可能性は低いだろうと分析している。

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