香港・中環にある2つ星の広東料理「營致會館」(Shop G05, 107-108, Pacific Century Place, 41 Connaught Road Central, Central、TEL 2801 6882)が5月30日、30種類以上の新メニューの提供を始めた。同店は2017年にオープンし、中国と西洋の文化を融合させたコンテンポラリー感をうたう。 店内は、幸運と長寿の象徴とされるエメラルドグリーンのジャスパーを基調に、金属製のディテールや中国風の装飾を施す。店内には、メタリックなディテールと、豊かさや平和を象徴するそろばんや縁起の良い麒麟など中国の装飾を施す。
2フロアから成る同店は店内に入る際、グランドフロアのバーを通ることで、伝統的な中華料理店の雰囲気から一転、モダンな雰囲気にイメージが変わる。世界各国の高級ワインも取りそろえ、4つの個室とバーエリアがあり、最大104人まで収容できる店内には、独立したVIPルームやソファチェアなども用意する。
広東料理で40年以上の経験を持つ総料理長シウ・ヒン・チー(蕭顯志)さんが指揮を執り、4年連続でミシュランの2つ星を獲得している。 受賞歴のあるシウシェフとそのチームは、世界中から集めた食材を使って広東料理を提供することにこだわり続けてきたという。
新メニューは、伝統的な広東料理の技法に基づき、「新鮮な食材」「味付け」「火加減」などを調節して、食材の純粋な味を引き出したという。 新鮮なカニを使った「鮮蟹拑高湯百花環」(1人前260香港ドル)は、大根を強めのブイヨンで風味が出るまで煮込み、エビのすり身と一緒に蒸して、新鮮なカニの爪をのせ、細かい包丁さばきで切ったキュウリを並べキャビアを添えた。各料理に使うソースは広東料理には欠かせないもので、「風味豊かな食材がその風味を引き立て、淡白な味わいの食材はエッセンスを吸収して味を引き出す」という。ソースが大事なメニューには、雲南を代表するハムで、琵琶に似た形で、「皮が薄くて肉質の脂身がほどよいバランスを持ち、赤味と乳白色の脂身が鮮やかな色艶を見せる」という「宣威ハム」、熟成させた鶏、豚肉を使う。 新作の「鮮蟹肉乾撈官燕」(1人前880香港ドル)は、ソースを核に、ツバメの巣をカニ肉に漬け込んで煮込み蒸し焼きにしたもの。
シウシェフはほかにも、さまざまな食材や調理法の組み合わせによって、広東料理のエッセンスを新しい形で引き出す。魚の浮き袋を乾燥させた「花膠」は通常、煮込んだりするのだが、「酥炸百花釀花膠」(1人前220香港ドル)は伝統とは異なり、「花膠」をアワビソースに浸して煮込んだ後、車エビ、中国クワイ、中国セロリを手でたたいた「えびしんじょ」に詰めた。
鶏肉を使った2つの新メニューは、懐かしの広東料理へのオマージュと、現代の広東料理の東洋と西洋の融合だという「広東料理の過去と現在を旅する」ような内容に仕上げた。1950~1970年代の中国の宴会でよく出された鶏料理「濃扣玉簪鮑魚鳳翼球」(400香港ドル)という料理を再解釈したもので、手羽先の薄皮を破らないように骨を抜くことに根気を使う。手羽先は揚げてからオイスターソースとしょうゆで煮込む「脆皮松露雜菌●本地鮮鶏」は、中国と西洋の食材を両方使い、広東料理を現代風にアレンジした。五香粉や塩で一日漬け込んだ鶏肉に翌日、麦芽糖と酢を塗る。
営業時間は、ランチ=11時30分~15時、ディナー=18時~23時。
●=火へんに局。