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香港、駐在員の生活費ランキング世界1位 ニューヨークや東京を抑え

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 イギリス人材調査会社「ECAインターナショナル」が6月7日、世界主要都市の駐在員生活費ランキングを発表し、香港がニューヨークや東京などの都市を抑えて1位となった。

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 同リポートは1996年から実施し、調査対象は120カ国・地域の207都市。具体的には、食料(乳製品、肉、魚、果物、野菜)、ベーシック(日用品、消耗品、レジャーなど)、一般(衣料、電気製品、アルコール、たばこなど)、光熱費、公共交通機関の5項目を対象に調査する。

 ランキングを見ると、香港に続いたのはニューヨークで前年の4位から2つランクを上げ2位になった。3位は前年と同じジュネーブ、4位は1つランキングを上げたロンドンで、5位に東京が入ったが、前年の2位から3つ順位を下げた。

 6位はテルアビブ(前年7位)、7位はチューリッヒ(同6位)、8位は上海(同9位)、9位に広州(同10位)、10位にソウル(8位)が入った。トップ10にアジアの都市が4つもランクインしたことがわかる。

 香港がトップについた理由について、同社のリー・クアン(Lee Quane)リージョナル・ディレクターは「香港は過去1年間、他の地域や世界の都市と比べると世界的なインフレの上昇による影響は少なかったが、それでも最も高い都市。物価は前年比3%増で香港にしては値上がりしたものの、ほかの都市と比べると低いレベルだった。それにもかかわらず、世界で最も高価な都市だったのは、米ドルとのペッグ制をとっていることと、他の通貨の下落がある」と分析している。

 具体的に価格の比較を見てみると、コーヒーは、香港=5.21米ドル、ニューヨーク=5.08米ドル、ロンドン=4.16米ドル、1キロのトマトでは、香港=11.51米ドル、ニューヨーク=6.55米ドル、シドニー=5.67米ドル、食用油1リットルの価格、香港=5.83米ドル、ニューヨーク=5.68米ドル、シドニー=4.83米ドル、ガソリン1リットルでは、香港=3.04米ドル、ロンドン=2.27米ドル、シドニー=1.66米ドル、牛乳1リットルは、香港=4,39米ドル、ニューヨーク=2.36米ドル、ロンドン=1.81米ドルとなるなど、多くの項目で香港がトップだった。

 一方、東京は順位を下げたが、ECAはその理由について、現在の日本の主要トピックの一つになっている「円安」を挙げている。アメリカなどを中心に金利を上げているが、日本は依然としてマイナス金利を維持しており、この金利差が円安につながっている。これは、日本国内でインフレが起きても、海外からの訪問者や外貨建てで給料を受け取っている駐在員であれば日本の物価は割安になるとする。

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