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灣仔の「The Pawn」後釜に広東料理「和昌飯店」 選べる点心のコースメニューも

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 灣仔のトラム通りの風景に象徴的な建物として観光客にも人気の「和昌大押」にあり、惜しまれて閉店した「The Pawn」の後継として昨年12月、広東料理「和昌飯店」(1-2/F, 62 Johnston Rd, Wan Chai Tel:2866 3444)がオープンした。1月27日には、点心のコースメニューの提供も始めた。クラシファイドグループが経営する。

8品を選ぶことができる点心メニューは終日提供

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 同店はエレベーターのない旧式の低層の「唐楼」と呼ばれる建物に入居するが、4フロアから成る建物は、その昔、「和昌大押(Woo Cheong Pawn Shop)」という質屋だったことはよく知られた話。同建築は100年以上の歴史を持つ。

 レストランは2つのフロアを使い、「都会の喧騒の中にある庭」をイメージすることで、壁にも鮮やかな色彩を花に見立てた内装に仕上げている。1階は点心やカクテルなど気軽に楽しめる雰囲気でバーカウンターを備える部屋もあり、2階は、スタイリッシュな広東料理レストランとして展開。それぞれの部屋をピンクや黄色、グリーンなどの淡い色を使って趣きの異なる印象に仕上げた。以前同様、バルコニー部分もダイニング空間として利用できるようにしている。

 料理を担当するイップ・チュンマン(葉振文)料理長は、伝統的な料理を新しいレシピで作ることを重視してアレンジを加え、色、香り、味、形のバランスを考えた料理を提供する。食材にも気を配り、エビなども季節に応じて、フラワーエビやブラックタイガーなどを選び、包丁さばきと時間や火力をコントロールしていく。

 代表メニューの一つはチャーシュー「和昌炭燒叉燒」で、炭を使い、外は焦げ目をつけ、中は柔らかくなるまで焼く。ほかにも新鮮な三元鶏を香港風のしょうゆに漬け込み、ジャスミンの花やキンモクセイなどのドライフラワーやお茶でスモークしたチキン「鳥語茶香」や、陳皮と色が濃く風味が豊かでまろやかな鎮江酢を使うスペアリブ「不知年陳皮黑醋骨」などを提供する。

 点心を担当するのはエリック(孫家榮)さんで、健康的な食文化を取り入れた点心のメニューを考案した。利用客は、メニューの中から8種類の点心などを選ぶことができる。点心テイスティングメニュー(1人338香港ドル)は、中華料理の技法蒸し物、焼き物、炒め物、揚げ物とデザートなどを組み合わせるスタイルで、指定カクテルやビール、ワイン、お茶など1杯を含む。

 サケ、カボチャ、クコの実を使った揚げ豆腐「三文魚煎釀茶香豆腐」をはじめ、4種類の淡水魚の柔らかい身を使った蒸しギョーザ「桂花香桂花魚餃」 や、エビと龍井茶を炒める伝統的な料理から着想を得てギョーザの皮に刻んだ龍井茶の葉の香りが漂うエビギョーザ「雨前龍井蝦餃」も人気だという。

 焼きメニューとしては、一口サイズのミニパイナップルパン「迷●菠蘿包」を新たに考案した。日本のスタイルで作ったと言い、香ばしく、ふんわりとした食感に仕上げ、パンの間には厚切りの有塩フランス産バターを挟む。

 タイの定番料理「トムヤムクン」にインスパイアされ、タイ風の味を楽しめる焼き小籠包「冬陰功海鮮生煎包」は、新鮮なエビに、レモングラス、ガランガル、カフェライムリーフなどのスパイスに、チリソース、ナタマメ、ホタテ、イカ、マッシュルームなどを使い、辛さと酸味のある味わいを実現した。

 米をベースとして作る皮で具を包む腸粉は、キヌアに、キャベツ、白菜、セロリ、キノコ、ニンジンなどの刻み野菜を使う「養生藜麥素腸粉」がお薦めだという。点心だけでなく、ネギ、ショウガ、アワビソースを使った名物の麺料理「薑葱鮑汁蝦●撈粗麺」もセットにすることができる。

 デザートの「公利蔗汁卷」は、今では少なくなった寒天のような食感で黒ゴマ味のものを板状にしてまいた芝麻巻(セサミロール)の黒を変え、サトウキビを使って薄黄緑のような淡い色に新しく生まれ変わらせた。

 同店ではお茶のスペシャリストも常駐し、約20種類の茶葉をそろえている。希少な有機栽培の「香茗」をはじめとする「最高級の茶葉も含まれる」という。健康志向に合わせ、ノンカフェインのお茶も開発し、水出しの紅茶なども用意した。

 営業時間は11時~24時。現在は新型コロナ肺炎措置に準じて営業。

 迷●=にんべんに尓。蝦●=米へんに子。

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