香港のアカデミー賞に当たる「第41回香港電影金像奨(Hong Kong Film Award)」が4月16 日に行われ、最優秀作品賞には「給十九歳的我/To My Nineteen Year Old Self」が選ばれた。コロナ禍の影響で、ここ数年は延期や開催時期の延期があったが、2019年以来、4年ぶりの「通常の映画祭」に戻った。
2020年の金像奨は、コロナ禍の影響でオンラインでの発表のみとなった。2021年もコロナ禍の影響が続き、最終的には2021年と2022年の2年をまとめて評価することとなり、2022年7月に九龍湾(Kowloon Bay)にある国際展貿中心(HITEC)での開催となった。コロナ禍が落ち着いた今回は、2019年以来、4年ぶりに尖沙咀(Tsim Sha Tsui)にある文化中心(Cultural Centre)での開催が実現した。ドレスアップした俳優、監督など関係者が久々にレッドカーペットの上を歩いた。
最優秀作品賞にノミネートされたのは「給十九歳的我」のほか、「正義迴廊/The Sparring Partner」「明日戰記/Warriors Of Future」「神探大戦/Detective vs. Sleuths」「窄路微塵/The Narrow Road」の5作品。受賞した「給十九歳的我」は西半山(Mid-levels West)にあり、政治家、芸能人など多く輩出している1900年創立の名門女学校「英華女学校(Ying Wa Girls' School)」に在籍する6人の生徒の10年間の成長を描くドキュメンタリー。試写会や先行上映、海外での映画祭で高評価を得ていた。しかし、出演者が「募金活動やプライベートな形で上映されると聞いていたが、一般公開には同意していない」と声を上げた結果、一般上映は暫定的に中止となった。
その後、金像奨側では作品賞にノミネートするものの、今度は学校側がノミネートを辞退。しかし、金像奨は辞退されることを想定しておらず、定款に辞退するルールがないことなどから、ノミネートされている状態が続いていた。その結果、同作が辞退を望んでいるにもかかわらず最優秀作品賞となり、現在でも大きな論争が巻き起こっている状況だ。
主演男優賞は「神探大戦」の劉青雲さんが3度目の受賞となった。主演女優賞は「流水落花/Lost Love」の鄭秀文(サミー・チェン)さんが初受賞した。これまで何度も主演女優賞にノミネートされてきた鄭さん。特に第21回の金像奨では同賞にノミネートされた5作品のうち3作品で鄭さんが主演を演じたにも関わらず受賞を逃すなど、これまで縁がなかったが、ついに壁を乗り越えた。
最優秀監督賞は「神探大戦」の韋家輝さん、助演男優賞は「風再起時/Where the Wind Blows」の許冠文(マイケル・ホイ)さん、助演女優賞は「飯戲攻心/Table for Six」の王●之(イヴァナ・ウォン)さんが、それぞれ受賞した。
●=草かんむりに宛