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香港のテキスタイルミュージアム「CHAT」が5周年 記念企画展も

テキスタイルミュージアム「CHAT」で行われている企画展「Factory of Tomorrow」の特別展示「Frog Carnival 2024」

テキスタイルミュージアム「CHAT」で行われている企画展「Factory of Tomorrow」の特別展示「Frog Carnival 2024」

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 香港・●湾のミュージアム「CHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile)」(The Mills, 45 Pak Tin Par Street, Tsuen Wan, N.T)が5周年を迎え、3月16日、春の企画展「Factory of Tomorrow」が始まった。「CHAT」は、旧南豊紡績工場跡地の建物をリノベーションした複合施設「The Mills」の2階に位置するテキスタイル・ヘリテージ・ミュージアムで、これまでにも定期的にイベントを開いてきた。

テキスタイルをデジタルで体験できる「Illmin-Loom」

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 ●湾は、かつて織物工場が多く集まり、香港の紡績産業の中心的地域だった。しかし1980年代から1990年代にかけ、コスト上昇などに伴い繊維産業は中国本土などに移転。もともとは紡績業を営んでいたデベロッパー南豊集団(Nan Fung Group)は、かつての工場建物をそのまま利用して再開発を手がけた。香港の紡績産業の遺産や、織物使った現代アートなどを展示する「CHAT」を2019年に設立し、香港やアジアのテキスタイルの文化遺産を承継するため、現代美術・デザイン・歴史などと結び付けながら、これまでさまざまな展示会、ワークショップ、コミュニティー プログラムなどを行っている。

 5周年を迎えるに当たり企画した同展は、「テキスタイルをテーマとした『CHAT』のユニークな芸術的特徴とビジョンを、改めて明確に表現すること」を目的にしたもの。「遺産を通じて過去を批判的に検証し、未来への想像力を喚起するような展示」とした。

 展示は大きく2つのパートに分かれる。第1部では、CHAT が長年にわたって収集した現代美術作品を紹介し、アーティストの目を通して香港の過去の産業における繊維の役割を探る。第 2 部では現在と未来に目を向け、新しいメディアやテクノロジーを使用してさまざまな問題や視点に取り組む。

 会場にはテキスタイル作品や彫刻、没入型インスタレーション、ビデオなど、アジア出身の19人のアーティストによる幅広いジャンルの現代アート作品を集めた。これらの作品は、テキスタイルの技術や素材、多様性、気候変動、未来などに対するアーティストの視点を反映している。

 これまでの企画展と同様、通常の展示スペース以外の場所でも展示を展開する。「The Mills」の広場空間「The Hall」には、香港出身のパフォーマンスアーティストFrog King Kwokさんの、書道や油絵などの要素を用いた独創的なインスタレーション作品「Frog Carnival 2024」を5月19日まで特別展示している。

 東京と香港を拠点に活動する現代美術家・加藤泉さんや、自身の身体を中性的な立体物として用いたパフォーマンス作品を中心に発表するアーティスト・小林勇輝さんなど、日本人アーティストの作品も複数展示。2020年からCHATで作品を展示してきた加藤さんは、屋上庭園で展示されている石を用いたアート作品を今回の企画展のためにリニューアル。「さまざまな方に自由な発想で作品を楽しんでほしい」と期待を寄せる。

 今回の企画展に合わせて、新しいインタラクティブアートも用意した。「Illmin-Loom」は、テキスタイルをデジタルで体験できる展示コーナーで、繊維のようにカラフルなライトを用いたデジタルの織機を使って、オリジナルのテキスタイルをデジタルで作成することができ、参加者は自分で作った作品をデジタル画像として持ち帰ることができる。チーフキュレーターの高橋瑞木さんは「ゲームのような感覚でテキスタイル体験を楽しんでほしい」と話す。

 期間中、ワークショップやキュレーターによるツアーなども行うほか、ミュージアムショップ「Chat Shop」で、5周年を記念して企画展に参加するアーティストとコラボレーションした新商品も販売する。

 開館時間は 11時~19時。火曜休館。入館無料。7月14日まで。

 ●=草かんむりに全

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