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香港に初のスマート調理ロボ登場 24時間稼働、大埔の幸匯商場に

大埔に登場した自動調理販売を備える機器

大埔に登場した自動調理販売を備える機器

 華潤創業建設投資(華創建投)が3月15日、香港政府投資推廣署(インベスト香港)と食物環境衞生署(FEHD)の協力で、大埔幸匯商場(better place)にスマート飲食ロボット「Hey Food」を導入した。このロボットは注文受け付けから加熱、提供までを全自動で行い、人工知能技術を活用した24時間稼働の即時調理・販売サービスを実現する。

肉入り麺料理と実際の容器

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 幸匯商場では、スマートコミュニティーの一環としてAI小吃機だけでなく、太陽光発電パネルによるクリーンエネルギー供給、AI数智人(AIデジタル人間)「Jason」による顧客案内、スマート駐車場や移動充電設備、さらにはアプリ連動のフィットネス機器やリサイクルポイント制度など、生活のあらゆる場面にテクノロジーを融合させる取り組みをしている。

 この「智慧社區生態」は、華創建投が商業不動産領域での発展を推進する象徴的な取り組みで、「AIスナック自販機」はその一部として、飲食サービスの空白を埋め、住民の日常に利便性と楽しさを追求した。同ショッピングモールは駅に近いものの、主要道路から離れており、周囲は住宅街に囲まれている。試験営業以来、売上の約6割が夜20時以降に集中しており、エリアの夜食需要に応えた形。ショッピングモールの屋外エリアに設置することで、営業時間にとらわれずに購入できるようになる。

 同ロボットは香港で初とされる同種類ロボットの「全時變温」食品製造ライセンスを取得した先例であり、24時間運用で冷蔵から加熱までを自動で行う。購入方法は、ロボットのタッチパネルとスマホアプリの2種類に対応し、支払いは電子決済のみ。現在はWeChat Pay、Alipay、AlipayHKの3つに対応しており、後日、オクトパス(八達通)の導入も予定している。

 通常、対人サービスで受け取る「笑顔」の代わりに、ロボットアームには笑顔マークが描いたという。従来の自動販売機と違い、調理工程を伴うため、支払い直後に表示される番号に従い、メニューを受け取る。注文から受け取りまで所要時間は最短で約3分かかる。ロボットアームがメニューを取り出し、蒸気で加熱した後、紙の手提げ袋と併せて提供する。カトラリーの提供はない。プラスチックわんの中にさらにアルミホイルを置き、ふたをしてくれる。サイズは大人の手のひらほどで、注文ページには名称と価格に加え、味や内容、重さの情報も記載されている。

 メニューは約30種類を取りそろえ、主に中華料理と香港ローカル料理を提供。中華料理では、近年人気の四川料理「酸菜魚撈飯(酸菜魚のがけご飯)」(33香港ドル)、「魚香肉絲飯(ユーシャンロースーご飯)」(35香港ドル)、「火腿老鴨湯米線(ハムと鴨入り米麺)」(33香港ドル)などがある。香港スナックでは、「雙●燒賣粉絲湯套餐(焼売と春雨のスープセット)」(33香港ドル)、「鶏湯小●飩(鶏だしワンタン)」(22.6香港ドル)、「金湯花膠鶏撈飯(魚の浮袋と鶏肉がけご飯)」(35香港ドル)等を用意。そのほか、「冬陰公米線(トムヤムクン米麺)」(33香港ドル)や「紅燒牛肉麺(牛肉のしょうゆ煮込み麺)」(35香港ドルなどもある。

 投資推廣署の劉凱旋署長は、「財政預算案で示されたAI産業化推進の方針に沿い、今回の事例は香港の飲食業界におけるスマートリテールの新たな方向性を示すもの」と強調。さらに、「部門間の協力により、食品安全や法規制を満たした形で革新技術を導入できた」と話す。

 食環署の呉文傑署長も、「飲食業界の革新を支援しつつ食物安全と公衆衛生を守ることが重要」とし、今回のプロジェクトにおいて法規や衛生基準の指導を行ったことを説明した。

 華創建投の張林軍副総経理は、「香港市場で20年以上培った資源を生かし、中国本土企業のブランドや技術を香港に導入するプラットフォームを構築してきた」と説明。今回のスマート飲食ロボットは、深夜や繁忙地区、郊外など多様な場面で市民に新しい食事選択肢を提供することを目的としたものだとし、今後はさらに協力範囲を広げ、スマート飲食ネットワークの形成に規模を拡大していくという。

 雙●=手へんに并。●飩=食へんに昆。

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