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香港、平均寿命は男女共に3年連続世界一 一方で肺に関する病気が深刻とも

長寿の人が多い香港、3年連続世界一位

長寿の人が多い香港、3年連続世界一位

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日本の厚生労働省は7月20日、2017年の簡易生命表を発表し、香港男性は前年比で0.38歳増の81.70歳、女性は同0.32歳増の87.66歳で、共に3年連続で世界一の長寿の地域となった。

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 同省は香港がなぜ世界一になったのかという理由については言及していない。一方、香港政府統計処は同じ7月26日、「香港的女性及男性主要統計数字」を発表した。それによると1986年から2017年までの間、人口は34%増加したが、65歳以上の人口のみで見ると3倍も増加。香港の経済拡大により外国人女性家政婦を雇う家庭が増えたこともあり、女性の割合が増えたとした。70歳以上の死亡率は男女共低下傾向を示しているうえ、男性よりも女性の方が死亡率が低いとした。このことからも、平均寿命が延び、かつ香港では女性が男性より約6年長生きする。

 香港人の最大の死亡原因を見ると、ガン、肺炎、心臓病、脳血管病(脳梗塞、脳血栓)だった。ガンに絞ってみると、男性の場合1位が肺と気管、2位は結腸、直腸と肛門、同率2位で肝臓、4位が胃、5位が食道、6位が前立腺だった。女性でみると、トップが肺と気管、続いて結腸、直腸と肛門は男性と同じだったが3位に乳房となった。4位肝臓、5位がすい臓、6位は胃だった。

男性、女性共に肺がん、肺炎と、肺に関わる死亡率が多いのが香港の特徴だ。毎日喫煙する人は2017年の時点で人口の約1割弱に当たる61万5000人で、喫煙率が高い男性は肺がんによる死亡率は女性の1.7倍。世代別では、男性の場合は73.2%の喫煙者が40歳以上、女性は30~49歳の喫煙率が最も高く61.0%に上った。若者の喫煙率が下がった影響で、世代別で分析すると喫煙者の高齢化も進んだ。

 2017年に政府系の病院にかかった香港市民は、男性=88万771人、女性=92万8910人、不明=89人の計189万9770人。私立病院では、男性=16万8502人、女性=22万984人の計389万486人。公立病院、私立病院を合わせると228万9256人となり、約3割の香港市民が何らかの理由で病院の世話になったことになる。

 骨粗しょう症である人は2017年初頭で5万7800人、そのうち78.5%が女性が占めた。人口全体で骨粗しょう症になった人は男性が0.4%、女性は1.2%だった。慢性疾患は198万3200人に上り、52.4%が女性だった。6カ月以内に服用した薬を見ると、漢方薬ではなく、ほとんどが西洋薬だったことも明らかになった。妊婦の平均死亡率は過去30年で3.3人だったが、2016年においては0人を達成した。

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